テニス部と夕焼け
夕方、職員室からふと窓の外に目をやると、屋上のテニスコート越しに夕焼けが。誰かの「テニス部の写真とってあげたい」というつぶやく声が・・・。机上のカメラをつかんで、西棟へ競歩。(廊下は走ってはいけませんからね。)
西棟へつくと、すれ違った6年生が
「先生、夕焼けがきれいですよ」
「そう、今それを撮りにいくの」
テニスコートに顔を出すと、テニス部員達が私の手のカメラを見つけて早速ポーズ。「せんせ~、スリー、ツー、ワンって言ってください。ジャンプします!」デジカメが鈍くて折角のジャンプは逃しましたが、夕焼け、きれいでしょう?
テニスコートから降りてくると、さっきの子が友達を誘って空を見ています。受験勉強の合間、ひとときの憩いの時間です。
職員室へもどると、すでに外は真っ暗、テニスコートは夜間照明に切り替わっています。まさに「秋の日はつるべ落とし」です。ここまで書いてまた窓の外を見ると、テニスコートの照明も消え、6年生の教室の明りだけが見えます。下校放送が入り、今、それも消えました。
中高時代はこの秋の日のようです。大人になると、一年ごとの変化が少なくなって今自分が何歳だったか分からなくなるときもありますが、子供の時間は「早さ」が違います。一年で本人も環境もめまぐるしく変化し、6年間があっという間にすぎていきます。
今朝、中等部生のマナーのことでがっかりするようなことがあって一日気になっていたのですが、その後、茶道の授業、企業コラボ、生徒会選挙、と生徒の姿を見ていて、成長の度合いは一人ひとり違うものの、学年が進むに従って少しずつ成長しているなぁと改めて感じました。
遅い早いがあっても、卒業するまでには、みんなが「夕焼けがきれい」と声をかけてくれた6年生のように、心豊かな、周りに対する思いやりを持った人に育ってほしいです。