仕事を始める卒業生へ
昨日は入社式だった卒業生も多いでしょう。希望の叶った人、思うようにならなかった人、再チャレンジを決意した人もいるかもしれません。
20代は環境の大きく変わる時です。そして、自分で自分の「人生を創る」時期でもあります。
今、自分の置かれた状況がどうであっても、先は長いということを知っていてください。
学生の時は「誰かに○○してほしい」で済んでいたことが、これからは「自分がどうしたいか、どうするか」です。
あこがれの会社に入れた人も、「こんなはずじゃなかった」と驚くことがあるでしょう。配属で全く予想していたなかった仕事をすることもあるかもしれません。
がっかりして「ここは自分の居場所でない」と思うこともあるかもしれません。でも、その場所でどう自分を活かすか考えて、もう少しだけ続けてみると、違う何かが見えてくることもあります。
テレビ東京とのコラボの時、こんな話を聞きました。
「番組作りをしたくて就職したら営業に回された。でも、そこで頑張って信頼関係を気づいたスポンサーに企画に載ってもらい、逆に局へ企画を持ち込むことができた」
違う道を通ってゴールにたどり着くこともあるんですね。
私は学生時代、嫌なことがあると親に頼ったり、人のせいにししたりしてそこから逃げることがよくありました。
でも、だんだん分かってきたことは、
嫌なことから逃げるとマイナスの貯金が貯まるようにあとでもっと大きなハードルがくるということ。
だから、目の前のハードルは今のうちに越えて慣れておいた方が結果的に後が楽なんです。
「やらない言い訳」が出てくるとき、人は、プロセスのめんどくささや困難さ、失敗の絵を見ているものです。
そんなときは、自分に「本当はどうしたいのか?」と聞いてみてください。
そして、もし、「手間がかからなければしたい」「失敗しないならしたい」ことだったら、めんどうな途中を飛ばして「うまくいったときの自分」を想像してみてください。
「身に余ると見えたタスク」を果たした翌日の自分はどうなっているでしょうか?
ほっとした自分、みんなと喜んでいる自分、達成感を味わっている自分、成長した自分・・・。
仕事をしていれば、嫌なこと、辛いことは当然あります。今まで友達にはならなかったような人と一緒にやらなければいけないこともあります。
そんなことがある度に、もし、我慢や工夫をしないでそこから逃げていたら、返って「自分に合う仕事」から遠ざかってしまいます。
「天職」はどこかにあるのではなく、「創る」ものだと思います。
最後に、今は何もかもうまくいかないという人、頑張る気にもならないという人へ。
私もそうでした。
どちらかというと後者で、やらなきゃいけないと分かっているけどできない自分が嫌で苦しかったです。今は、みんなの3倍近い年になっているけれど、まだそういう時期が時々きます。
ただ、あのときと今の自分が違うのは、年を重ねたおかげで、
「運にもやる気にも波がある」ことを知っているということです。
■ 何もかもうまくいかなかったとき
■ 頑張りようのなかったとき
■ どうしようもなく無気力だったとき
そんな時期は長い目で見ると、とっても大切だったりするんです。
そうはいっても、みんなはまだ若いから、今は目の前の事でいっぱいいっぱいですよね。
そんなときこそ、品女へ戻ってきてください。
卒業生から幸せを分けてもらうのもうれしいですが、悲しみを分けてもらうのも私たちの喜びだから。
*私を含め、色々な仕事についている大人が、大学4年生に仕事について語った本がいま書店に並んでいます。
『仕事ってこういうことだったのか』かんき出版