2014/3/14 金曜日

⑰教科イチ押し(横浜弁護士会)

カテゴリー: 28プロジェクト:社会 — 漆 @ 17:44:51

今日は部活の生徒が登校してきています。教員は各教科で会議。

昨日の夜は文部科学省内の勉強会で本校の総合学習のお話をしてきました。公立中学に校長として赴任していた方も参加なさっていて話がはずみ、質疑応答も盛り上がり、気づけば9時半。

9時に他の課に別件で書類を取りに行く約束をしていたので、慌てて移動すると、課内にはまだ沢山の人が。昼間のようです。

以前、経済産業省の方に授業をしていただいたとき、国会の答弁の原稿締め切りに「26時」などと書いてあると伺い、生徒達が「こういう方々に国は支えられているんですねぇ」と言っていたことを思い出しました。

文科省は官庁の中でも厚労省と並んで女性の活躍する職場だそうです。今年度のイチオシでは外務省を訪問しましたが、来年の見学先、一つゲット。

 昨日の送別会の記念品です。生徒会が企画発注したエンブレムの入った髪留め。
終了後、職員室へ、お手製のクッキーを持って来てくれた6年生達が。

「ブログで紹介してください」ですって。しっかりしてるわね。よく見ると薔薇の花。

今年は大雪の中、受験も頑張りました。電車がすべて止まる中、雪道を4キロ歩いて受験会場にたどり着いた子もいたそうです。(おやごさんと一緒に歩いている受験生が「ああ、もうだめ」と諦めて帰る中、1人で黙々と歩き続けたとか。品女生強し。もまれて育ってるから?)

さて、イチ押しのラスト。担当の大貫からの報告です。

横浜弁護士会に所属されている弁護士の田原恵先生が、先生ご自身の経験を織りまぜて、弁護士の仕事やキャリア形成について話して下さいました。

弁護士の仕事というと、裁判所で弁護をしているイメージが強いですが、実際には、裁判所に行くのは週に2~3回程度で、弁護士の仕事の3割に過ぎないそうです。残りの7割は、事務的な業務(デスクワーク)や案件の現場確認などの仕事が占め、様々な人と接するため、交渉を伴う仕事も多いとのことです。

裁判所での仕事は3割程度とはいえ、裁判で扱う案件の性質は多様です。田原先生は刑事事件の国選弁護人も引き受けているため、客観的に見れば弁護しきれないような、難しい案件も弁護しなければならないこともあるそうです。

他にも、母校のロースクールの講師や、この見学会のような中高生への講義など、弁護士の仕事はきわめて幅広いといえます。

法学部出身者が多い弁護士の世界ですが、田原先生は理系学部のご出身で、紆余曲折を経て弁護士になられたそうです。法律への関心は小学生の頃からあったものの、他の理由から大学では化学の分野へ。しかし研究生活は向かないと判断し、卒業後にご結婚。その後は専業主婦、一般企業への就職、出産を経て、キャリアアップのために、かねてより興味のあった法律の勉強を開始。そして法科大学院に入学し、司法試験に合格されたそうです。

その経歴をふまえて、「将来の目標は大事にしてほしい。ただし、その目標を断念せざるを得ないときに、他の道を選べる余地を作っておく方がよい」とのアドバイスをいただきました。

実は田原先生、この見学会の前日に怪我をされて、本来であれば移動するのも大変な状況であるにもかかわらず、当日は会場までお越しいただきました。「弁護士にとっては案件の1つだとしても、依頼者にとっては人生を左右する物事であると考えれば、絶対に約束に穴をあけてはいけない。この講座の約束も同様です。」というメッセージが印象的でした。

田原先生は、子育てをしながら弁護士もされています。深夜1時、2時まで仕事がつづくことも多々あるそうですが、ご夫婦で協力し合って乗り越えているそうです。家庭と仕事を両立して活躍されている田原先生のお話は、弁護士になりたい生徒にとっても、そうでない生徒にとっても、とても有益な内容であったのではないかと思います。

最後に、参加した生徒の感想です。

・今まで弁護士の仕事は裁判だけなのかと思っていたが、意外なことまで色々な事案を扱っているのだと知ることができた。

・「自分にとっては多くの事案のうちの1つに過ぎないが、依頼者は1人1人勇気を振り絞って悩みを相談しに来ていることを考えると、責任を強く感じる」という先生の言葉が心に響いた。

・何事も、頑張ったことはためになるものなのだと思った。話を聞くのがすごく楽しかった。