2013/9/4 水曜日

頼む力 東芝LED CM 品女バージョン

みなさん、東芝LEDのCM「LED 10 years live」ご覧になったことはありますか?実は、今、放送中のものは品女バージョンなんです。(主人公の「のぞみ」は本校の制服を着ていて品女生という設定。CMの制作裏話の記事はこちら。文化祭でもこのCMを紹介するブースを設けます。)
これも、生徒が「頼む力」を発揮したことがきっかけでした。

去年の文化祭で二年生が東芝LEDのCM(影絵バージョン)をまねて、本校の28プロジェクトをベースにしたストーリーでCMを作成しました。作成にあたり、東芝さんに生徒達がお願いのご連絡をしたところ、快く作成の指導をしてくださって完成させることができたそうです。

その後、偶然に、私に社長対談と講演のお話がありました。打ち合わせのとき、このCMのお話をしたところ、懇親会の席で流していただくことになりました。そこで、広報の方から、生徒の作った28プロジェクトのストーリーがとても印象的だったので、新しいCMはそのコンセプトで作りたいというお話があったのです。

その後、新CMの撮影現場に生徒達がお招きいただいたり、社員の方に理系の特別講座を開いていただいたりと、様々な場面でお世話になり、このCMが流れることになりました。
文化祭の中学生の一クラス、一班の子供達のお願いを聞いてくださったご厚意がご縁の始まりでした。そして、そうした大胆なお願い事をやる前に諦めず、ご連絡した生徒達も勇気があったと思います。

夏休み中、このように若い世代が勇気を持ってお願いし、大人がそれを応援するというニュースを二つ、耳にしました。

一つは、釜石市の中3の女子生徒がSHIBUYA109の社長に「復興に向け、街を活性化するイベントを109と企画したい」と手紙を出し、それを実現した話。

もう一つは、OECD東北スクールの女子高生が、皇太子妃雅子さまにお手紙を送り、それがきっかけでご夫妻で発表会におこしくださり、その後、宮城県を訪問されたという話。

こうしたニュースを聞くにつけ、「頼む力」が社会に及ぼす好影響というものを感じます。特に、若い世代の「頼む力」の影響力は大きいです。

生徒達が品女キティーで寄付を集め、カンボジアに学校を設立したのもこの「頼む力」がベースでした。そして、その後も若い子がこんなにがんばっているのだからと、生徒達がつくったこのプラットフォームに私だけでなく本の印税を入れてくれている方もいます。

生徒達に始業式でこの「頼む力」の話をしました。そして、これを継続させ、自分のためだけでなく人のため、社会のために広げて行くのに大切なことを伝えました。

それは、頼み、こたえてくれた方への感謝の気持ちを忘れずに、それを言葉や態度で表現し続ける。連絡報告を怠らない。ということです。
たとえ、その目標がかなわなくても。失敗してもです。

そうすることで、その後も縁がつながり、より多くの人へ、社会へと広がって行くのです。

これまで、私はこうした偶然のようで偶然でない不思議な縁を何度も体験してきました。報告を怠ったためにそれを途切れさせてしまった苦い経験もあります。

そして、頼む立場がほとんどだった若い時代を経て、少しずつ頼まれることが多くなり、気づいた事があります。

力はないけど、想いはある。そういう人に頼まれ、夢の実現のサポートをすることで、その人を通して社会に貢献する喜びを味わえる。

そんな幸せを感じるようになりました。