岩塚製菓、南相馬市の小学生とコラボ
今日は少し暑さも和らぎました。「頼む力」の続きです。
お願いしたり、お願いされたりすることがご縁で、それが、自分たちだけでなく、次の方へとつながっていく。そんなうれしいことがありましたので、ご紹介します。岩塚製菓の槇社長から伺ったお話です。
毎年、三年生の企業コラボを実現するまでには長い長い準備期間があります。友達の友達の友達・・・と様々な縁をたどって、何社も何社もたずねてお願いしてきました。
数日間のインターシップや一回限りの講演準備でも大変なのに、コラボはリアルな社会体験のため、会社の業務の合間に長い時間とエネルギーをおとりいただくことになります。
トップがOKでも担当部署に打診し、実際に担当する社員の方を集めなくてはなりません。また、逆に、社員の方から上司の方へ、そこから会社としての了解を取っていただいたこともあります。
ようやくお引き受けいただいたと思ったら、業界内に問題が起こって、その影響で頓挫してしまったこともありました。
4月になっても相手先企業が見つからず、困り果てていたら、思わぬご縁で初対面の方にお願いし、その方のご尽力でコラボ先を紹介していただいたこともあります。
そうした数年間のあと、岩塚製菓の槇社長からお手紙をいただきました。それは、初めての先方からのコラボのオファーでした。
そうして、新潟と東京という距離を乗り越え、2年生の食育の授業からお世話になり、最終的に全クラスのアイディアが製品化されるという3年がかりのコラボレーションが実現しました。
この成果を広く世の中にシェアするため、その模様は書籍として出版もされました。その後、他校からも、この取り組みが刺激になって、コラボを準備しているというご連絡もいただくようになりました。
岩塚さんとのコラボで最初の製品が世に出た直後、東日本大震災が起きました。パッケージの工場が被害を受け、生産が中止される事態になりました。中越地震を体験した岩塚さんから、被災地の支援をしたいとご連絡があり、コラボ商品の売り上げで貢献しようと生徒達も協力させていただくことになりました。
その生徒達も今は6年生。品女で過ごす最後の年を迎えました。
そして、この夏、槇社長から以下のようなご丁寧なお手紙をいただきました。(「選択の時」の取材でコラボ商品が取り上げられた企業に私からお手紙とDVDをお送りしたお礼の手紙でした)
私信ではありますが、頼む力が次へとつながっていく一つの例として槇社長のご了解を得て、一部抜粋をシェアさせていただきます。
DVDを拝見いたしました。久しぶりにオアシスに遭遇したような清涼感を味わう事ができました。心より御礼申し上げます。
「ペパっと」と「トマっとバジっと」も登場し、大変なつかしく、コラボ授業が出来て本当によかったなぁと実感しております。お陰様で「ふわっと」群の商品はその後、堅調に推移をして米菓スナックの地位を築いております。又、漆先生との出会いにより、震災で被災された子供たちへのJENさんを通じての支援など、当社の若い社員たち(品川女子学院担当であった岩女ですが・・・)がボランティア活動を継続する中で、南相馬市の小学校との交流が生まれました。
私も五回程、現地に入り、市長さん教育委員長さんらと会い、未だ、原発の事故が続いている事を実感致しました。
未だ、47%位の生徒さんしか帰ってきていない中での卒業式は心なしか寂しいものでした。
しかし「バタしょっと」の発売で少しでも勇気を与えられたのではないかと思っております。今月の7月4日に当社の岩塚会にて櫻井南相馬市長より講演をいただきました。(漆先生にも講演をいただいた会です。)長岡にも避難されている方がいらっしゃいますが、一緒に聞いていただきました。
これら一連の活動は過去の岩塚製菓では決してありえなかった事だと思います。何か不思議な「縁」と言いますか、品川女子学院との出会いによって育まれてきた精神ではないかと思っております。
今後共、岩塚製菓のDNAとして企業理念の底流にある全社員の礎となればと思っております。
産経新聞のweb版に3ページにわたり、バタしょっとのことが掲載されています。 |