5年生 社会人講演会(文系)
今日も自宅学習日。穏やかな日がさしています。
震災から二年が経ちました。昨日は、被災地の方々と一緒にフルマラソンに参加してきました。
離れた土地にいるものが感じるより、復興地の時間の流れは早くないこと。その中でも少しずつ環境と気持ちが前に向かっていることを伺いました。
そして、全国からの支援に対しての感謝を自分にできる形で伝えたいと、背中にお礼メッセージをつけて走る方もいらっしゃいました。
雨のあと激しく風が吹き、気温は数度。低体温でリタイヤする人もいる過酷なレースでしたが、私も足を引きずりながら、このレースは完走だけでも必ずしたいと最終グループでゴールしました。
日本中で心を合わせて、できることを継続していきたいと改めて強く思いました。
さて、土曜の続きで、社会人講演会の文系の方を、学年の小川からご紹介します。
5年生は総合学習の時間に文理別社会人講演会を行いました。
今回の講演会は、社会で活躍されている女性から実際にお話を聞いて、自分も将来社会に出て働くという意識を具体的に持ってもらい、女性としてのキャリア設計を考えるきっかけになれば、という目的のもとに行われました。
文系では、中央大学大学院の戦略経営研究科(ビジネススクール)で教鞭を執りながら、三菱UFJリサーチ&コンサルティングでお仕事をされている国松麻季さんにお話をしていただきました。 講演テーマは「学ぶこと、働くこと。」
国松さんは、上智大学法学部国際関係法学科を卒業後、経済団体連合会事務局(一般に経団連と呼ばれている団体です)の職員や外務省での国内外メディア対応、WTOの貿易交渉のお仕事を経て、民間シンクタンクの研究員・開発コンサルタントとしてお仕事をされていました。
そして働いている中で、より高い専門性を身につけたい、という思いから、米国のジョージタウン大学ロースクールへ社会人入学することを決意されました。
「仕事を休職して留学することにリスクはありましたが、良い経験になったと思います。米国のロースクールでは、多様な職種や国籍の人達が同じ「学ぶ」という意志を持って集まっていて、たくさんの刺激を受けました。学ぶべき内容だけでなく、学ぶという『姿勢』を身につけることができました。」という国松さんの言葉が印象的でした。 留学後は民間シンクタンクのお仕事に復帰され、ASEAN諸国やベトナム、カンボジアの経済支援のための現地調査・技術支援プロジェクトのお仕事を続けて来られたそうです。
「最初は、現地の人に受け入れてもらえず、コミュニケーションに苦労しましたが、『どうしたらこの国の経済が良くなるんだろう?』という共通の問題意識を互いに持ち、話し合いを重ねることで、立場や国を越えた対話ができるようになりました。」
意識を高く持ち、学ぶという「姿勢」を社会に出てからも常に持ち続けるということ。
学ぶ姿勢を常に持っていれば、目の前にいる他者から何かを学ぶことができるし、異国の地でも相手と協力して一つの目標に向かうことができる。
言葉や考え方は違っても、相手から学ぼうとする姿勢は万国共通であり、相手がどんな人でもかならず伝わるものだからです。
それは、学校の教室の中で、机に座って教わる勉強とは違う学びです。生徒には、社会に出てからも学ぶ姿勢を持ち続ける女性になってほしいと思います。
また、海外で活躍する女性というと「バリバリ仕事をしている、自己アピールの強い人」をイメージしがちですが、海外でコミュニケーションを円滑にとるためには、相手の立場を理解し、同じ目線で話をすることや、こちらから心を開いて相手の話を聞くことが必要なのだな、と感じました。
国松さんはテキパキとお話をされながらも終始優しい雰囲気を崩さず、笑顔がとても素敵な女性でした。
お話の後には、生徒からの質問タイムがありました。 海外での仕事内容に興味を持つ生徒からの質問や、「なぜ社会人留学を決意したのか?」「立場の違う相手から話を聞く上で大事なことは?」等、活発に質問が飛び、より深いところまでお答えいただきました。
「質問を自分からする」というのも、学ぶ姿勢のひとつです。それができていたことが良かったと思います。