2008/12/15 月曜日

未来への贈物

カテゴリー: その他,校長のオススメ — 漆 @ 17:40:41

今日は答案返却日、生徒達は戻ってくるテストにドキドキです。(「ワクワク」の人もいるかもしれませんが)

さて、前回の礼法授業の後の出来事のように、親御さんや教員、周りの大人が、「子供の将来の為に」と思って手間暇かけてしたことが、肝心の子供になかなか伝わらないときってありますよね。

私もがっかりすることがしょっちゅうあります。それでも、私たち教員はあきらめずにやりつづけることが仕事なのでいいのですが、ボランティアで来ていただいた外部講師の方に失礼な態度をとられたりすると、申し訳なくて、もう特別なことはやめようかな・・・と弱気になることもあります。

保護者の皆さまにもそんなことがあるのではないでしょうか。

そんなとき、私が思い出す話があります。

台風の通り過ぎた海岸に何千、何万というヒトデが打ち上げられていた。

小さな子供が、今にも干上がって死にそうになっているヒトデを一つずつ海に戻しているのを見て、通りかかった人が「ぼうや、ヒトデはこんなにたくさんいるんだから、そんなことをしても無駄だよ」と言った。

すると、その子は一匹のヒトデを海に投げながらこう答えた。

『でも、このヒトデにとっては大きな違いがあるでしょ』

子供は一人ひとり違います。一人の子供にもその成長過程の中に色々な時期があります。大人の意図どおりには動きません。今日、子供のためにとしたことがすぐに伝わる子は少ないかもしれません。

でも、もしかしたらその中に、ちょうどその子が求めているものとぴったりタイミングが合って、それがきっかけで将来に大きな違いを産む子がいるかもしれません。 

ここまで書いてふと、30代の卒業生の言葉を思い出しました。

「在学中はいやだったけれど、あのときしつけてもらったお陰で挨拶と返事とお掃除は誰にも負けません。それが、社会人になって本当に自分を助けてくれました。」

今まいた種がいつ花を咲かせるかは分かりませんが、子供たちがいつか大人なった時、振り返って「あの時のあれが…」と思い出してくれるような、「未来へのプレゼント」をたくさん贈ってあげたいと思っています。