2013/1/23 水曜日

⑦教科イチ押し見学会(早稲田大学国際教養学部)

合唱祭練習も最終段階です。今日は8時にはほとんどの生徒が校内に入ってしまっていたので、私も早々に引っ込みました。

風邪で休みの多いクラスもあり、みんなの心と身体のコンディションを合わせるのは本当に大変だと思います。あと一息です。

イチ押しは早稲田大学国際教養学部、これまで何人もの卒業生が入学しています。卒業後、ここで身につけたコミュニケーション能力とタフさのおかげで就職先でも活躍しているというニュースも入ってきています。

引率の黒沢からの報告です。

教科イチ押しの英語科の企画で、今回初めて早稲田大学国際教養学部を見学させていただきました。
高等部15名(4年生5名、5年生10名)の生徒を率いて早稲田キャンパスの国際教養学部が入っている11号館を訪問してきました。

1階のロビーで職員の方と待ち合わせをして、その後エスカレーターで上の階に上がりながら、職員の方が11号館に入っている商学部と国際教養学部のオフィス、ラウンジ、教室等を簡単に案内してくれました。

   建物が大変きれいで、教室内のテレビやパソコンなどの設備が整っていて、うちの生徒たちも教室を覘きながら「すご~い、テレビが何台もある~」「留学生がたくさんいる~」などと感想を述べながら興味津々で見学をしていました。

その後、教室に案内され、職員の方から、国際教養学部について説明をしてくださいました。

スクリーンを使ってわかりやすく、国際教養学部とはどんなことを学ぶ学部で、どんな学生がいて、どんな活動や研究ができて、卒業後どのような進路に行く学生がいるのか、などについて説明してくださいました。 

まとめると:
・国際教養学部(School of International Liberal Studies)は略して、SILS ・授業は全て英語で行う。入学から卒業までずっと英語で学べる環境
・日本人:海外出身者=2:1 学生・教員の3分の1が海外出身者。国籍は約50カ国に及ぶ
・日本語を母国語とする学生は1年間の留学が必修。
・少人数制の教育を重視(1年生から教員:生徒=1:20の規模のゼミがある)
・7つの学問群(生命・環境、哲学、経済、文化など)から最低3つ以上を選択し、1つの学問だけでなく、複数の学問分野の知識を深める →複雑化した国際社会には必要

このような説明があったあとに質疑応答の時間があり、うちの生徒から次々に質問があがりました。

以下、あがった質問と解答例:
Q英語で授業を受けるということがイメージできませんが、すぐに慣れるのでしょうか?
→1対1でアドバイザーがついたり、語学力を高めるための授業や設備は提供されているので、後は自分の努力次第です。

Q留学は1年間行って帰ってきて、また行きたい場合行くことはできますか?1回目アメリカに行ったとして、2回目はイギリスに行くということも可能ですか?
→可能です。1年間というのは、あくまで最短(4年間)で卒業できるプランを紹介しただけです。自分独自のStudy Planをたてることは可能です。

Q早稲田大学で勉強できる第2外国語はどんなものがありますか?
→20以上の2カ国語のコースがあります。今一番人気な言語は韓国語や中国語です。

Q7つの学問群全て学習することはできるのでしょうか
→もちろんできます。3つ以上選ぶことになりますが、上限はありません。

Q国際教養学部の中の「経済」という学問群と経済学部の授業は違うのですか
→教授が違います。言語が違います。アメリカ人の教授の経済学、イギリス人の経済学、日本人や中国人の経済学であれば、視点も違う、研究分野が異なる、授業での活動も異なります。

大変意欲的で、休憩時間になっても職員の方を捕まえて質問している生徒もおりました。

 そして、いよいよ、本日の見学のクライマックス、国際教養学部の授業の見学の時間になりました。
今回見学させていただいたのは、フランス人の先生のゼミ、Seminar on Communicationの授業です。

30分程度静かに見学をさせていただくだけなのかと思っていたら、なんと、ゼミの学生さんたちが、「僕たちのプレゼンテーションを聞いてほしいので、もっと前に座って下さい!」と教室の一番前の席にうちの生徒を座らせてくれました。
なんと、この日の私たちの見学のために、SILSについてのプレゼンを準備してくれていたのです。
プレゼンは英語と日本語とフランス語の3カ国語を用いて行われました。フランス語のゼミなので、普段はフランス語と英語を使って授業を行うそうです。

学生さんたちは日本人の他にもちろん留学生もいましたが、皆一様に流ちょうな英語と日本語を話します。
日本人の中にはもちろん帰国子女の学生と純ジャパ(海外在住経験のない日本人はこのように呼ばれています)が約半数ずついるようでしたが、見分け(聞き分け)はつきません。
まず驚いたことは、授業の時間になり、教室に学生たちが入ってきた際に、日本人同士でフランス語で会話をしながら入ってきたのです。
英語でもなく流ちょうなフランス語で。聞いてみると、そのゼミの学生は全員1年間のフランス留学をしてきたとのこと。
プレゼンの中でも、「SILSの環境では入学から卒業まで4年間英語の生活になる。だったらせっかくの1年の留学期間、なんでまた英語圏に行くの?どうせなら別の言語を習得することを選択したらいい!」と訴えかけてくれました。

国際社会では英語はもはや当然で、第2外国語の知識も求められているわけです。
言語は知っていれば知っているほどネットワークが広がっていくのだということをプレゼンでたくさん話してくれました。
モンゴル出身の女子学生で5カ国語話せる学生もいました。フランス語、英語、日本語の3カ国語で夢を見る、という学生もいました。

うちの生徒たちからSILSの学生さんたへの質問:
Q原稿を読まずになんで英語でプレゼンできるようになるのですか
→SILSの環境にいれば、自ずと英語で(フランス語で)考える頭になる、ならないとやっていけない。授業でもフランス語で何か質問されたらその場で考えてすぐにフランス語で答える。つまり、日頃からその言語で考えるようになる。つまり自分の日本語と同じレベルで英語を使うことが求められているってこと!

Q一般入試で受験された方はどのくらいいるのですか?
→クラスの3分の2以上が一般受験でした

Qスペイン語勉強したいのですが、ゼミはありますか?
→うーん、2つくらいあると思うよ。でもフランス語の方が楽しいよ!
→私はフランスに留学した際に、(もちろんフランス語で)スペイン語の授業をとっていたけど、フランス語を勉強した後だと、文法や語彙が似ているので、習得が楽だったよ!

大変有意義な質疑応答の時間になり、予定よりも20分も延長して質問に答えて下さいました。

 今回のSILSの学生たちとお話する機会をいただき、見学した4年生、5年生にとっては、よい刺激になり、勉強のモチベーションもあがったと思います。

国際社会で活躍できるように今から目標を持ちがんばってもらいたいです。