2012/9/3 月曜日

世界大会からシェアしたいこと

カテゴリー: その他 — 漆 @ 19:39:48

昨日の続きです。私事で恐縮ですが、やってみると、その体験から生徒にシェアしたいことが沢山あったので。(これを始業式で全部話していたら、30人くらい倒れたでしょう)

さて、世界選手権は一ヶ月後、やらない理由が頭をグルグル巡っている私。予選までと思っていたので仕事のスケジュールはびっちり、一人で海外旅行は大の苦手、お姫様トライアスリートでタイヤの空気も入れたことがない、一人で行って怪我したらどうしよう・・・。

そして、とどめは、足切りタイムでした。世界戦ともなると各種目に制限タイムがあり、私は予選で6時間かかった苦手な自転車のタイムを4時間半に縮めないと逃げ切れないということが分かりました。一ヶ月ではとうてい不可能な数字です。これで辞退した人が何人もいました。

そんなとき、海外の大学に行った卒業生のお母さんから、その子が一人で頑張っている話を聞き、私も「世界を心に」頑張らなくちゃと背中を押されました。

さらに、中学生が行事の委員に立候補して、「大変だけど、みんなが喜んでくれたらうれしいし、自分も成長するから」なんて話しているのを聞き、 「やる前にあきらめるのはやめよう!」と、とりあえず、申し込んでから考えることにしました。

大人になると経験をもとにできそうなことを選んで自分の快適領域から出たくなくなりますが、子供は日々が新たな経験です。そんな子供たちにいつも「失敗をおそれずチャレンジ」「やらない後悔より、やった後悔」などと言っている自分が、言い訳をして逃げていてはダメだなと思ったのです。

その後、予選よりスイムとランの距離が2キロずつ増えているとか、水温が20度以下で、気温が5度~35度と差が激しいとか、湖には恐ろしい貝がいるとか、代表ユニフォームはおしりにパットがついてなくて痛いとか、新しい情報が入る度、どんどん不安になってきました。

振り返ると、スポーツも仕事もチームプレーでは頑張れるけれど、一人でやることが苦手。ほとんど中途半端に逃げてきた私。思えば受験もそうでした。 そうだ!これって受験と似ている。だったらめったに味わえないこの精神状態でいろいろ実験して、生徒にシェアするネタにしよう! と、急にやる気になって友人知人のアスリート、メンタルトコーチ、カウンセラー、国内外で災害支援をしている人・・・相談しまくりました。

そこで、実際自分がやってみて、受験や部活の本番前に役立ちそうなことをシェアすると、

1,クラッシュしたときのこと、悪いイメージは必ず出てくる。そうしたら、優勝したときのこと、よく走れたときのことを思い出してイメージを書き換える。

2,過度に感動しそうになったら、笑顔で「アホか自分、自分を見失うな、落ち着いていけ、いつも通りやるだけだ、やれることをやる」と、自分に話しかけて適度な興奮状態に戻す。

3,不安になるのは正常。正しいこと。不安なことがよぎったら、その悪いイメージを持てた自分を「偉い」と思いながら、イメージの中で解決する。もしも○○が起きたらこうして対応するなど具体的に。

4,ハプニングは必ずある。悪いことは起きると思っておく。本番で100%でることなどない。70%出せたら奇跡。だから準備は120やる。

5,失うものは何なのか?最悪の場合を考えておくと自分が何を怖がっているのかが分かり、意外と落ち着く。

6,緊張は必ずするもの。引退した今でも、会場の前を通ると心臓がドキドキする。落ち着くためにはいつもと同じ流れを大切にする。試合が短パンだったら2週間前から日常生活も短パンをはく。誰より早く会場に行っていつもと同じロッカーを使う。

7,フローに入るには不可能なくらいの目標を立て、やれるだけのことをやり、結果を手放す。

8,交感神経と副交感神経のバランスを整えるようなエクササイズを毎日やる。(身体をぶらぶらさせたり、力を入れてから抜いたり、息を吐いたり。特に呼吸、ゆっくり吐くことがとても大切)

9,多くのアスリートが引退してから言う言葉がある。それは、「あのときもっとやっておけばよかった」

10、心が折れそうになったとき、自分を元に戻すため、目に入るところにラッキーチャームのようなものを付けておく。

11、なるべく早く現地に入り、散歩して、現地の気をもらう。だれにも必ず途中でだめになりそうな時があるが、それを超えればまた頑張れる時が来る。そのきっかけは道ばたの花を見たときだったり、水を飲んだときだったり。そういう波があることを知っておく。

12、安心できるもの、安心できる食べ物、慣れたものを持って行く。

13、ここで負けたなと悪いことを思い出したら、だからここで乗り越えれば強くなれると言い聞かせる。

14、知らない土地で緊急事態になったとき、乗り越えるために大切なことはただ1つ。パニックにならないこと。

まだ、成田から出発してません(^^;)