2012/8/28 火曜日

⑯大学出張授業(明治大学・商学)

カテゴリー: 授業・学習・進学 — 漆 @ 15:47:15

担当の小川からの報告です。

情報コミュニケーション学「情報コミュニケーション学入門」
明治大学情報コミュニケーション学部 大黒岳彦先生

講義はテレビの話題から始まりました。
テレビ全盛期と言われた1960~70年代には、「テレビ=悪」という批判もあったが、最近ではテレビは人々に受け入れられている、というお話でした。
つまり、テレビは30~40年かけて「社会的異物」から「社会的環境」(それなしには生活できない必要不可欠なもの)になったのだということでした。

その次に産業革命の話が出てきたので、生徒の頭には「テレビと産業革命ってつながるの?」という疑問が浮かんだようでした。しかし大黒先生は、「手工業から機械工業へ技術が変化したときにも、最初は人々は反発して機械を打ち壊したが、やがて機械を受け入れた。これは現在のメディアの変化と同様である。」と、黒板をダイナミックに使って指摘されました。

人間は新しい技術を最初は異端視するが、時間をかけて環境化し、空気のように受け入れていく、というのは変わらないそうです。確かに、テレビもゲームもインターネットも携帯電話も同じ動きを見せているように感じられます。

学校で学んでいる世界史と今の私たちの社会が実は同じ流れで動いている。そんな新しい視野を持つことで、社会を見る目は平板ではなくなります。
今回、生徒達は「社会を観察することは面白い!」という感覚を持ってくれたのではないかと思います。

空気のように、生活の中に普通に存在しているテレビやインターネットは、なぜ「普通に」存在しているのか。
これからの人と技術、社会と技術の関係はどのように変わっていくのか。
現在も大きく動き続けている新しいテーマのように見えますが、人間の心理や社会の動きには、不変の部分もあるようです。
目先のことを追いかけるだけではなく、たとえば【歴史を勉強してみる】。
そんなところに、柔軟で広い視野を持つための入り口はあるのかもしれないし、そういったところから、タブレットやスマートフォンなどの最新の技術の活用方法も見えてくるのかもしれません。

その他にも、
・学部のモットーは「人と社会が見えてくる」
・学部に多いのはダンスなどをやっている人で、「何かを表現したい」人が情報コミュニケーション学部にはやってくる。

といったお話も興味深かったです。