仙台の七ヶ浜で
昨日の日曜、私は仙台の七ヶ浜にいました。
この日記でご紹介し、品川ファミリーの皆さんにもジャスト・ギビングへの寄付にご協力いただいた復興支援のトライアスロンレースに出場してきました。
現地の高校生にプレゼントするシューズは、本校水泳部の顧問からミズノへお願いしたところ、ご厚意で寄付していただけたので、その分の募金を支援プロジェクトへ寄付することができました。
協力してくださったみなさま、ありがとうございました。以下にご報告をいたします。
私たちは10チームの参加になりました。一緒に走ってくれたのは、地元、多賀城高校陸上部の生徒さんたちです。
試験前後の休日に、陸上の試合でないレースに参加することは生徒さんはもちろん、親御さんにとっても、先生にとっても、躊躇があるのではと思いましたが、お声がけするとすぐに快諾していただけて、男子、女子、長距離の生徒全員が参加してくれました。
レースは浜での黙祷から始まりました。この大会に力を注いできた大会委員長も帰らぬ人となられたそうです。
主人の実家が福島なので、震災を身にしみて感じることがしばしばありましたが、この地に立って、地震と津波の被害は全く別のものであることを実感しました。
レース前、コースの下見をしていると、海の近くの道においてあった背の高い船から、
「トライアスロン?頑張ってね」と声がかかりました。 船の掃除をしているのかな?と思って
「その船はどうやって海に上げ下ろしするんですか?」と聞いたら、
「これは、津波でここまであがっちゃったのよ。家は流されちゃって、今、これに住んでるの。今日、泊まるとこあるの?泊めてあげるよ、20人乗りだから」
水道がないので、水を運んで船のタンクに入れて生活なさっているそうです。ふと、山の方を見上げると、何艘かの船が打ち上げられたままになっていました。
私は自転車のパートでしたが、波で流された地域の、まだ整備途中の道を迂回しながらのコースでした。
盛り上がって亀裂の走る道、区画だけが残った住宅地・・・。その中で、沿道のみなさんが、「ありがとう来てくれて」と何時間も立ったまま応援してくださり、それに「ありがとう、また来年もくるね」と答えながら走る参加者たち。
何とも言えない気持ちがわき起こってきました。
途中、ルール違反の自転車に当て逃げされて転倒しましたが、声援のおかげであきらめず、襷をつなぐことができました。
オリンピック選手も3人応援に来ていました。
中でも、田山選手はロンドン直前の時期にこのレースに自ら参加し、苦しいレース途中も沿道の声援に終始笑顔でこたえていました。
優勝インタビューで、「余裕でしたね」と言われると、
「いえ、どんなに苦しくても今日はみなさんの応援には笑顔でこたえようと決めていました。この地で身を清められたような気がします。皆さんから力をもらって、ロンドンでは頑張ってきます。」と答えていました。
リレーアンカーのランは10キロでした。多賀城高校の女子生徒さんに、 「得意な距離は?」と聞いたら、
「800mなんです。でも、周りの人の応援で元気が出て、楽しく走れました。」とにっこり。
彼らの笑顔が頼もしく、この子たちが大人になる未来に希望を感じました。
地域の方と参加者がお互いに応援し合うようなレースでした。
行く前は、大変な思いをしている方々のところに遊びにいくような後ろめたさもありましたが、人と人とのつながり方に正解はなく、いろいろな形があっていいんだと、気づきました。
参加してよかったです。生徒たちにもこの体験をシェアしたいと思います。
←シューズの贈呈式の様子です。 |