筒井ともみさんの講演
土曜日、PTA主催で脚本家の筒井ともみさんの講演会がありました。
テーマは「食育」で、お母様にまつわる食の記憶のお話しを中心に、お仕事のこと、生き方、様々なお話が聞けました。
ご都合で参加したくても出来なかった保護者の方へ、以下に、私の記憶に残った言葉、参加した保護者の方の感想に多く上がっていた言葉などご紹介します。
◆多くの人が持っている3つのモノを持っていない。それは、名刺、携帯、PC。あれば便利かもしれないけど、なくても困らないし、ないことで暮らしが静寂につつまれている。
◆美味しい物を食べたいのでなく、まずいものを一度でも食べたくないだけ。だから、ほとんど食事は自宅で作って食べる。ロケでもお弁当は食べない。空腹を我慢すればいい。
◆一人で生きている自分にとって、毎日、食事をきちんと作ってたべることと、仏壇にお茶やお菓子を供えてお参りすることが自分を律することに繋がっている。
◆仕事も駆け出しの頃から好きなものしか受けない。はじめの頃、ある番組があたって多くの仕事が来たが、それは何かがおかしいと感じてすべて断ってしまった。そうしているうちに「これ!」と思う作品(岡倉天心)に巡り会い、じっくりと勉強してかくことが出来た、それがまた次の作品(松田優作さんに頼まれた「それから」で明治30年代の知識人の孤独という共通点があった)につながり、結果として向田邦子賞をもらった。
◆時代劇は苦手。自分は、物事を多面的に捉えるから善悪の区別をはっきりとはつけられない。銭形平次の脚本を頼まれたときは苦しかった。どんな悪人に向かっても、人の額めがけて銭を投げるなんてどうしても失礼だと感じて、勧善懲悪ストーリーにならなくなってしまう。
◆人々の貼ったレッテル、目に見えないものさしに縛られない。例えば、「個食」は悪いというが、材料を選び「気の合う」ものを見つけ心を込めて作った食事は一人で食べても寂しくない。
「ひきこもり」も、歴史を振り返れば、ひきこもってすばらしい作品を作った人は沢山いる。
寂しいということは悪いこと?それは、せつなさ、やるせなさ、につながり女性をきれいにする。(源氏物語の女性達のように)
遅いことは悪いこと?遅くても人と違うことが価値。多様性にこそ可能性がある。
お天気も全部好き。晴れの日も、雨の日も、風の日も。
◆ちゃんとものを食べている子は脊髄がちゃんとしている。そういう子は誰の前でも同じ態度でいられる。
◆心と身体の細胞が喜ぶ食事は人を幸せにする。そしてそれは暴力からもっとも遠いことだと思う。
筒井さんは「食べること」を大切にすることで、背筋をちゃんとし、「自分は何が好きでどうしたいのか」ということを常に大切にしていらっしゃるんだなぁと感じました。
(写真:お花はフラワーアレンジ部の生徒が飾ってくれました)