2012/3/26 月曜日

17教科イチ押し見学会(森美術館)

特別講座や文化祭取材でお世話になっている方からお声がけいただき、女性をテーマにした新番組『Switch』(本校のやる気のスイッチをヒントに名前をつけたそうです)の初回の取材を受けました。

放送日:4月2日(月)20:54~21:00 日本テレビ(実質2分程度。3年生がサンヨー食品さんとコラボで制作した「トマリアーナ」の発売日でもあります)

春休みの間、教科イチ押しの続きをご紹介します。引率の塩崎から報告します。

**過去4年間の様子**
2007年度 教科イチオシ見学会①森美術館
2008年度 今日のお客様&教科イチ押し22森美術館
2009年度 春期講習・教科イチ押し 森美術館
2010年度 気になる声シリーズ ⑥教科イチオシ見学会【森美術館】
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森美術館にお世話になって5年目となりました。
中には、以前参加して興味を持ち、2度目の参加をしてくれた生徒もいました。
今回は2011年9月17日~2012年1月15日に開催された「メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン」を見学しました。
1~3年の学年毎のグループに1人専任スタッフの方がついてくださり、生徒の興味を引き出してくださるという贅沢なツアーです。美術館に国語科の学習で行くのは珍しいと思いますが、この会は物事に対する様々な視点を学び、言葉にしていくことを目標としています。
メタボリズムは戦後の復興を夢見た1960年代の建築・都市理論で、大地震の起きた2011年、生徒たちがメタボリズムをどのように受け取ったかも言葉にしてもらいました。生徒たちにワークシートにまとめてもらった言葉を、いくつか紹介します。

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Q 印象に残ったプロジェクト/作品名と、それらについて考えたこと
・(丹下健三、浅田孝、大谷幸夫 他「広島ピースセンター」に対して)高床にして原爆ドームを見えるように工夫してあるところがおもしろいと思った。(2年生)
・(黒川紀章「東京計画1961――Helix計画」に対して)DNAの“二重らせん構造”について興味を持ち、自分の建築と結び付けてしまうことに驚きました。(2年生)
・(菊竹清訓「海上都市1963」に対して)津波がきたときは、すごく大変だろうなと思いました。(2年生)

Q 各プロジェクトや作品、この展覧会に関する他の生徒の発言で印象に残ったことと、その理由
・(黒川紀章「東京計画1961――Helix計画」に対して)「仲良くなれる建築」という発言。
近所に住んでいる人と仲良くするのは、震災で大事だと思い、共感できたため。(1年生)
・「メタボリズムは優しい」という発言。
自分も同じように思った。「優しい」というより、平等であり、皆で共有できるなにかがあり、つながりを求めているように感じた。(3年生)

Q 今回の展覧会を通して、「メタボリズム」とはどのようなものだと考えましたか。
あなた自身の言葉でまとめてみましょう。
・戦後の日本に、未来の都市像を夢見て、新しい思想を生み出した建築家たちによる、戦後の日本への希望だと思います。メタボリズムを生物学用語で「新陳代謝」というように、変わっていく環境に一生懸命ついていこうとした建築家たちが必死に考えた未来都市であり、細かく設計した建物は、ここまでして考えた建築家たちの希望ではないかと考えました。(2年生)
・「メタボリズム」とは、まるで生きているかのように変化していくことができる。そして、進化するだけでなく、平等であり、様々なものを共有しあう、1つの共同体をも想像させる。今みても斬新で独創的なデザインには心をひかれます。かっこいい!!(3年生)

Q 大震災が起きた2011年の今、メタボリズムからどのようなことを学べるでしょうか。
建築の分野に限らなくて構いません。自由に述べてください。
もし未来都市のアイディアが思い浮かんだら、それも述べてください。
・交流が深まる建築がいい。(1年生)
・おもしろい形の建物を建てたり、その建築のアイディアを考えたりするだけで、希望がわいてくる。(1年生)
・異なる高さ、大きさの建築物がある東京では1つになる、まとまっているというイメージを持たないが、メタボリズムの思想を持ち、都市計画を行えば、狭い範囲で凝縮されたコミュニティを作ることが可能であり、まとまりをもつことができると思う。(3年生)

Q 美術館という場所について、今回の見学会で得た印象
・いつもはただ「みるだけ」のつまらないところという印象だったのが、今回説明をききながら見てまわると、いろいろなことが学べるところだというイメージになりました。(2年生)

Q 作品を見て、言葉で表現するということについて
・言葉にするというのは自分の気持ちを素直に書くことなのでさほど難しくはなかったです。しかし、その理由は何ですかと問われた時に自分で自分を追求するのに苦労しました。(1年生)
・深く印象に残っているが、やはり言葉で言い表すのは難しい。(3年生)

Q 今回の展覧会「メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン」の感想
・建築に対してすごく興味をもちました。建物は、ただ住む所、何かをするための場などととらえていたのですが、それだけではないと強く思いました。(2年生)
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お世話になった森美術館の皆さま、本当にありがとうございました。
これをお読みの皆さま、ぜひ森美術館に行ってみてください。