教科イチオシ見学会 -21- 三菱東京UFJ銀行
社会科の草村より報告です。
三菱東京UFJ銀行 本校の28プロジェクトの理念に即して、銀行見学に加えて社会で活躍する女性銀行員の方にお話しを伺う機会を設けていただきました。 まず、品川駅前支店で、銀行の仕事内容全般の説明を受けた後、28歳前後の女性(窓口業務、個人営業業務、事務スタッフ)からお話しを伺いました。仕事内容ややりがい、学生時代にどのような勉強をしたか等が中心でした。窓口の方のお話しの中で、生徒一同感動したことは「第一の仕事は、一人ひとりのお客様と丁寧に“話しをする”こと。先週、非常に慌てているお客様に話しを伺っていたところ、“振り込め詐欺”を寸前で食い止めることができた」というエピソードでした。また、学生時代に必要な勉強は「特に、支店での業務は人と対面して行うため、コミュニケーション力を磨くことが重要。学生時代は、金融の勉強よりも、多くの人と関わることが大切」というアドバイスをもらいました。
次に、移動して、日本最大規模であるディーリングルームを見学しました。銀行の市場業務部という部門で、500名ほどのディーラーが、外国為替や国債、CP(社債)等を国内外の投資家や企業と売買取引しているところです。フロアーの中心には、ロンドン、ニューヨーク、フランクフルト、シンガポール等の取引中心国の時刻が表示されおり、ディーラー一人ひとりの机上には、パソコンのモニター画面が3~4つ以上並んでいます。金融市場の値動きに応じて1秒ごとに価格が変化するため、株価のチャートなどのグラフ中心の画面や世界のニュースが英語で随時流れている画面等をみながら、あらゆる情報を判断しながら、一度の取引で数百億~数千億円という額を扱っているとのことでした。緊張感漲る空気を、生徒たちも存分に感じたようでした。
こちらでも6人の28歳前後の女性ディーラーの方にお話しを伺い質疑応答をおこないました。生徒の「金銭感覚はおかしくなりませんか」という質問に対して「数百億円の取引で利潤は5,000円くらいだから、いかに1円でも利潤を出せるかを、試行錯誤しているんですよ。だから、決して金銭感覚はおかしくなりません」とのことでした。銀行の利ざやの具体的な数字を知ることができる貴重なお話しに大変興味深く、生徒も話しにのめり込んでいました。
ディーラーの仕事では人とは対面しないので、業務によって求められる力は異なり、市場業務では特に、「判断力が重要」ということでした。
見学を終えるころには、「是非、銀行で働いてみたい」という生徒がたくさん出てきました。現場を通して、金融機関の深さを垣間見ることができる施設見学でした。