2008/1/12 土曜日

教科イチオシ見学会⑪国際協力銀行

カテゴリー: 28プロジェクト:社会 — 漆 @ 0:01:23

英語科、引率の山田からの報告です。

599.jpg国際協力銀行(以下JBIC)を訪れました。JBICの研究所があるパレスサイドビル(竹橋の毎日新聞社などが入っている大きなビル)に入ると、いつもは元気な子どもたちも、少し緊張しつつ静かに見学会に参加していました。

 講師の方は、女性(13年目)。穏やかで感じの良い方でした。まず最初は、資料を用いて開発途上国の現状やJBICの業務について説明して頂きました。

開発途上国への援助団体というと、子どもたちにとっては『JICA』や『ユニセフ』などが身近な存在ですが、今回の説明会を通じて前2者とは違うJBICの業務内容を理解できたようです。

「日本は多くの物資を途上国から輸入しており、開発途上国は日本と密接な関係がある。JBICではその貧しい国々へ“円借款”という形で援助を行っている。」
「資金は日本の税金」
「銀行とは言っても、都市銀行の業務とは異なり預金を預かるわけではない」
「日本もかつては外国からの資金援助を受けていた」など

またゲーム形式で、ベトナムのODA(政府開発援助)の担当官になったつもりでシュミレーションを行いました。

日本の担当者側チーム(2つ)とベトナムの担当者側チーム(2つ)に分かれ、それぞれのチーム内で話し合った自分た ちの援助計画を発表しましたが、日本チームはベトナムの人々の状況を考えつつ、相手にとって良さそうな援助計画を選ばなければならないので、結論を出すの に時間がかかっていました。実際のODAの場面でも、援助の中味を2国間で摺り合わせながら結論を出すそうです。

実際の業務を少し体感した後で、質疑応答。まず事前に送った質問への回答からでした。

・食べ物がないのになぜ子どもがたくさん生まれるのか→女性が軽視されている。また女性への教育も足りないため
・エイズの対策は進んでいるのか→ワクチンの入手・薬の普及にお金がかかるので難しい
・募金は行っているのか→ユニセフなどと違って、JBICでは行っていない
・何カ国に援助しているのか→163カ国

などでしたが、私自身も初めて知ることがあり、興味深い内容でした。

「学生時代のお話し」「なぜ国際協力銀行で働こうと思ったか」など、ご自身のことへの質問にも誠実に答えて下さいま したが、この話には特に高校生が興味をもっていました。将来、開発途上国での援助活動に参加してみたいという生徒もいて、意欲的に質問・参加していまし た。また主に英語を使用するので、今学んでいる英語を生かせる仕事の一つとして、関心を持ったようです。

ビデオ教材や資料を用いたり、ゲーム形式で実際のODAの仕方を体験させながら、難しい言葉を使わずに、分かりやすく子どもたちにJBICの業務内容を理解させてくれる内容でした。