2014/9/30 火曜日

中1国語科特別講座・森美術館

今朝は姉妹校の生徒さん達がディズニーランドに行くということで、玄関から送り出しました。みな、ホームステイで親切にしてもらって楽しんでいると言っていました。ラーメンのストラップをつけている子がいて、聞くと、ホストファミリーにラーメン博物館に連れて行ってもらったそうで、(それまで、ラーメンを知らなかったそうです)とても気に入ったとのことでした。

そして、10時からはオークランドのリンフィールドカレッジの生徒さん15名と先生が訪問なさいました。品川区の国際友好協会からの紹介です。この様子はまた後日ご紹介しますね。

3日からはオーストラリア・コルベカレッジの生徒さんが来ますので、この秋は、海外4校からのお客様をお迎えすることになりました。

本校から留学した生徒達もちょうど帰ってきて、次々と報告に来ていますが、楽しかったことはもちろん、大変だったけど乗り越えたことも未来の財産になるでしょう。こうした交流が双方の生徒達の将来の絆につながることを願っています。

さて、夏に行った特別講座の様子を担当の塩崎から報告します。

2007年度より「教科イチ押し見学会」でお世話になってきた森美術館に、今回は1年国語科特別講座として行きました。
8月28日(木)、「夏休みの宿題が終わらない・・・」と言いながらも、21名の1年生が参加しました。

今回の展覧会は「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」で、1年生も興味を持ちやすいテーマでした。
様々なアーティストの作品がたくさん並んでいるだけでなく、作品を見た小学生たちによる「子どもキャプション」もついていて、つい最近まで小学生だった1年生たちは興味深そうに見ていました。
森美術館公式ブログ2014年7月17日(木) 子どもたちが作品解説作りに挑戦!7/18から公開「子どもキャプション・プロジェクト」
生徒たちは森美術館の専任スタッフの方に話しかけていただきながら、さまざまな視点を学べたようです。

森美術館は六本木ヒルズの53階にあります。52階のエスカレーター前で。
入口でチラシを見ながら、どんな展覧会なのか想像しています。
作品を囲んでギャラリートーク。スタッフの方が想像をかき立てるお話をしてくださいます。照屋勇賢《未来達》 この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
ウォン・ソンウォン《豚さん銀行の助け(「7歳の私」シリーズより)》 この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
作品だけでなく、足元に置かれた「子どもキャプション」も興味深そうに見ています。
ウォン・ソンウォン《カオス・キッチン(「7歳の私」シリーズより)》 この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
最後の自由時間も十分に楽しみ、笑顔で集合写真。

ワークシートより、いくつかご紹介します。

Q 印象に残った作品名と、それらについて考えたこと
・(近藤聡乃《きやきや》に対して)人間の感情ではないかと思う。赤と青の猿は女の子の中の大きく分けた2つの感情(プラスの感情とマイナスの感情?)で、赤い女の子と青い女の子が木からつきおとしあっていたのは、女の子の中で感情がせめぎあっていたのだと思う。
・(テリーサ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラー《エイト》に対して)悲しい雰囲気で中から外へとつながっている感じが面白かった。永遠にループしているのがまたいっそう悲しいかんじになっている。大人たちの笑い声も悲しくきこえてしまう。
・(小西淳也《子供の時間》に対して)みんなが「こどもが1人で可哀想だ」と言っていて、理由はわからないが変な気持ちになった。1人だからといって寂しくて可哀想だとは限らないと思う。写真の中にも楽しい子はいると思う。

Q 印象に残った「子どもキャプション」と、それらについて考えたこと
・(ジェイコブ・A・リース《街に眠る浮浪児たち(「我々以外のこの世のもう半分の人々はどう生きているか」シリーズより)》の「子どもキャプション」、「せまいところでみんなでギュッとしてる。いいなー。」に対して)私から見ると寒さで身をよせ合っているように見えるので、視点がちがっておもしろいなと思いました。
・(宮武東洋《鉄条網の彼方の自由に思いを馳せる3人の少年。見張り塔が後ろに見える。(「マンザナー収容所」シリーズより)》の「子どもキャプション」、「さくのむこうにいるのはとら?ライオン?ヤギ?とうほくウサギ?」に対して)あの写真を見てさくの向こうにいる動物を考えているのはとてもびっくりした。

Q 作品を1つ選び、キャプションをつけてみましょう。
・(小西淳也《子供の時間》に対して)この「子供の時間」という作品は、数枚の写真で構成されています。そして、そのすべてに家の中にいる1人の子供が写っています。親も誰もいない家は気づくと自分の家ではなく、秘密基地となります。「敵が攻めてきたぞ、変身だ!僕につづけ!」「トントントン。グツグツグツ。今日はカレーにしようかしら。」子供たちの小さくて愛らしい世界から、たくさんの物語が始まります。
・(近藤聡乃《きやきや》に対して)私の中の光と影の葛藤。

Q 美術館という場所について、今回の見学会で得た印象
・静かな場所で、一つの絵に対してさまざまな発想が浮かぶ場所。
・美術館というと、絵が並んでいて真面目な風に思っていたけれど、森美術館は写真や映像がありとてもなじみやすかった。
・色々な価値観の人が写したり描いたりした無数の世界が一つの空間にある。
・作品の作る雰囲気、心情などが入り交じる所。
・思っていたよりも堅苦しくない場所。
・小さな子どもから大人まで楽しめるしかけがある。

Q 作品を見て、言葉で表現するということについて
・おもしろかった。様々な発想で表現することができたから。
・ぴったり合う言葉がなかなかなくて難しかったけれど、おもしろかった。
・作品を見ることによって、何か作者が言いたいことが伝わってくる感じがした。
・考えや感情を言葉にしようとすると、すごく難しかった。あらためて考えてみると、自分は言葉を何も知らないのではないか、という気にさせられた。
・とても難しく、心がモヤモヤする。

Q 今回の展覧会「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」の感想
・おもしろかった。同じ子どもでも、もう私のような年になるとありふれた型にはまった意見しか出せず、少し残念だった。
・とてもおもしろくて、不思議な作品ばかりでびっくりした。
・映像は特に共感をもちやすかったです。
・一つの絵に対して、たくさんの子ども達が発想したことを言葉にするのがすごいと思いました。
・同じ写真や映像を見ていても、たくさんの意見が出てとてもおもしろかったです。

Q お世話になった森美術館のスタッフの方に、お礼を述べましょう。
・分かりやすい説明をしていただき、ありがとうございました。とても勉強になりました。
・今回この展覧会を見て、「何か私も持っていたモノがあるのかな、それを私はまだ持っているのかな」と思いました。また森美術館に行きたいです。ありがとうございました。
・自分の視点とは違う視点から見ることで、新しいものを見つけることができました。ありがとうございました。
・絵画や美術に興味をもちました。ありがとうございました。
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お世話になった森美術館の皆さま、本当にありがとうございました。

**過去6回の様子**
2007年度 教科イチオシ見学会①森美術館
2008年度 今日のお客様&教科イチ押し22森美術館
2009年度 春期講習・教科イチ押し森美術館
2010年度 気になる声シリーズ⑥教科イチオシ見学会【森美術館】
2011年度 17教科イチ押し見学会(森美術館)
2012年度 本を出版しました。15教科イチ押し見学会(森美術館)

*明日は都民の日、学校はお休みです。私はG1カレッジの打ち合わせに行きます。

 

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