2010/11/15 月曜日

芸術鑑賞の想い出

本校のミッションに「教養」というキーワードがあります。

将来、これと思った道に進むにしても、仕事に打ち込むにしても、その土台となる教養を身につけておくことは大切です。

仕事とは直接関係のない分野の知識や趣味が、こころを癒してくれたり、世界を広げてくれたりすることもあるでしょう。

そんな思いから、本校では、日本文化の授業を展開したり、「本物を見る行事」として、芸術鑑賞を行なったりしています。長年の間にはいろいろなご縁がありました。

中等部の企画で西川千麗さんの舞を鑑賞したときは、瀬戸内寂聴さんが舞台の前に生徒達にお話をしてくださいました。

質疑応答で、

「頭は何でそっているんですか?」と傍若無人な質問をする生徒に、

「○○のカミソリよ。その話をしたら、1年分送ってくれたの。触ってみる?」とおっしゃり、

本当に触ってしまったときは冷や汗をかきました。

市川猿之助さんのスーパー歌舞伎を鑑賞した時は、生徒が送った段ボール何箱にもなる感想文を、すべて読んでくださり、なんと、そのお礼にと、右近さんと笑也さんを連れて学校へおこしになり、生徒にお話をしてくださったのです!

一流の方は、おごらず何からでも学び、感謝の気持ちを忘れず、縁を大切になさるんだなぁと感じました。

(猿之助さんにさっとものを差し出すときの笑也さんの心配り、所作があまりに素敵だったので、「どうしてそんなに身のこなしが綺麗なのか」と伺ったら、「女性はそのままでも女性らしいが、自分は女性でない分、いかに美しくあるかを常に意識している」とおっしゃっていました。お肌が乾燥するときは豚バラを食べると翌日のしっとり感が違うということも教えていただきました。)

猿之助さんの、

「みなさんの意見はどんな専門家の批評より学ぶところが大きかった」

「舞台は一期一会、観客と演技者がキャッチボールをして共につくるもの」

というお話でスイッチが入り、その後、女流の浄瑠璃の道に進んだ子、演劇の道に進んだ子もいました。未だに趣味として狂言を続けている子もいます。

中高は未来の種まきをする時期。生徒達にとって、在学中の経験が、将来を豊かに過ごす教養の種になってくれるとうれしいです。

  本校の「日本を知る」授業をまとめた本『女の子が幸せになる授業』は今週17日に出版されます。
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