2007/8/30 木曜日

アスクル企業コラボの後日談

カテゴリー: 28プロジェクト:社会 — 漆 @ 12:00:00

昨年の企業コラボの後、こんなことがありました。

アスクルの中で、ある企画があり、品女生徒の意見を聞きたいとのお話しをいただきました。希望者を募り、特別講座としてアイディアを募る授業をすることになりました。少人数のゼミ形式で、参加した生徒達にとってとても有意義な時間になりました。

担当してくださったのは、昨年もボランティアでずっと生徒に関わってくださった方です。経済産業省から留学し、コンサルタント会社からアスクルへという経歴の方で、昨年も

「どうしてお役所から転職なさったんですか?MBAはどうやってとるんですか?取ったらどんないいことがありますか?」

などという質問が次から次へと出て、それに一つ一つ丁寧に答えてくださっていました。(中には刺激されたのか「先生、私もアメリカに留学してMVP(何の~?)をとりたいです」なんて言ってくる子もいました。)

さて、この日の特別授業の際も色々な質問にお答え頂き、その後さらにメールでお答えを送っていただきました。

生徒がどんな質問をしたかというと・・・

高校生のときの睡眠時間、受験勉強はどうやったら自分に厳しくできるか?学部選択の理由、高校時代にしておいた方がいいことなど身近なところから始まって、アスクルの好きなところ、入社してから学んだこと、アスクルって文系?理系?持っていてよかった資格、さらに、「留学は国費で行ったのか?」まで。

これら一つ一つの質門に失敗談も含め本当に正直に答えてくださっていて、なんと回答はA4三枚、読んでいると子供達の将来のためにという気持ちが伝わってきてジーンときました。

例えば、最後の質問の回答は、

「Yes&Noです。国費で行かせていただきました。帰国後、一年間ちょっとしか経済産業省に在籍していなかったので、退職後、費用は国に寄付しました。そういう公式ルールは無かったんですが、納税者の立場から見たらやっぱりおかしいですよね?そう思って、お金は大変でしたが返しました。元の職場に借りを作ったままでなく、「立つ鳥後を濁さず」にしたかったので。(後略)」

この答えから子供達は何を感じ取ったでしょうか?

教員でも親でもない大人が、本音で接してくれる。そこから生徒一人ひとりが自らの感性で何かを学び取っていく。今回の授業では、成果物を出すまでにはいたらなかったのですが、この形のない学びこそが企業とのコラボレーション授業から得られる最高の成果物ではないでしょうか?そして、10年、20年先にその種が子供達の中で芽吹き、社会への貢献という形で花開いてくれることを願っています。