卒業生の就活セミナー・テレビ東京 特別講座
先週末の講演会場には、卒業生、卒業生のご家族、卒業生の就職先の方・・・と、知ったお顔が見えて勇気づけられました。こういうところで品川ファミリーのみなさんに出会えるのは本当にうれしいです。終了後、卒業生のお母様から成人式のこと、人気企業に就職したこと、いいニュースを聞かせていただきました。
この日は、学校にも就職の決まった卒業生が2人訪ねてきてくれました。一人は「勤務地は品川がいいと思って志望したら叶いました」とのこと。こうして遊びに来てくれるのもうれしいです。
さて、こうした卒業生達の活躍を聞く一方、就職活動の相談を受けることもあり、この先輩・後輩をつなげないかな?と考えました。品川ファミリー同士ならきっと本音のアドバイスをもらえるでしょうし。
そこで品女流「考える前にまず行動!」で、3月13日に「白ばら就職情報交換会(申しこみはここから)」を開くことにしました。企業の方や様々な分野に就職している卒業生に協力をお願いしました。私もこれまで大学に招かれて学生さん向けにお話ししてきたことのエッセンスを話す予定です。
就職活動をする卒業生の役に立つ催しになると思います。ふるって参加ください。
<テレビ東京特別講座>
テレビ東京から、「中高生とテレビ局がコラボして番組を作る」というご提案をいただき、昨年末から特別講座がスタートしています。番組は3月20日に放送決定になりました。
大人が作ったものに部分的に参加するのではなく、企画、制作、広告、宣伝のすべてに生徒が主体的に関わる本格的なプロジェクトです。
初回は、テレビ局から様々な担当の社員の方がお越しくださり、それぞれ、仕事に就いたきっかけや仕事の内容、やりがいなどを語ってくださいました。私もこの日までテレビ局の中にこんなに色々な仕事があるとは知りませんでした。
最後に次回までに企画書を書いてくることがこの日の宿題になりました。
メモした一部をそのままご紹介します。(まとめようかと思ったのですが、テレビ局志望の卒業生や参加できなかった在校生ともシェアできる部分がたくさんあったので)
■ 編成部企画推進部
小さいときからテレビ局で番組を作りたいと夢があった。目標が変わりながらもその道を進んでいった。介護や育児で休んだ時期があったが、仕事が楽しかったので会社に戻った。
ここでテレビ局の仕組みの説明。組織図。連結子会社になにがあるかなど。外から見ていてはわからない様々な担当。コンプライアンス統括局など。
番組がどういう流れでできていくか。予算があって、スポンサーがついて、そのためにセールスが必要。
番組づくりは派手なイメージがあるかもしれないが、意外と地味な作業。制作し、宣伝し、技術のセクションを通って、視聴者へ。
番組の種類。テレビ東京は若い社員が多く自由な雰囲気。仕事を任される社風。
業界としてテレビ離れの時代。どうやって放送をコンテンツとしてだしていくか。地デジの話。ビジネスチャンスを作っていかなければならない。クロスメディア的な発想も今回入れたい。まずは、制限を考えず、いいものを一緒に作っていきたい。
■ 制作局プロデユーサー
コラボで作るので、作り手の立場に立ってもらいたい。そのため、本当は秘密で教えたくないこともお話していく。
一つ一つの番組を一生懸命作っている。365日24時間の一コマにいかに熱を込めるか。
ここで、テレビ番組ができるまでのDVDをみる。 29歳、女性ディレクターに密着。
番組はロケ、スタジオの二つをまとめて作る。
企画会議→構成作家と台本づくり→ロケ→編集(オフライン)→プレビュー→本編集(プロが加工)→MA(音の編集、効果音などを)→スタジオ(カンペ出し)→また編集。やりがいは自分で考えたものが完成するまでメインになってかかわれること。既存のものをただやるのではなく、新しいムーブメントを作っていくことが夢。現状維持という発想はない。
今回、大学進学や就職活動にも番組を作った体験が活きるはず。視聴率は仕事の結果。今回のターゲットは女子高生。女子高生が作る女子高生のための番組。企画書のテーマは「輝く女性」。自由な発想で作ってほしい。
■ アナウンサー
女性。スポーツ、競馬、経済、担当番組のために必死に勉強して、身に付いたと思ったらすぐ次へ。
ここで生徒にアナウンサーのイメージは?と質問
生徒からは「かまないでしゃべる」「頭の回転が速い」「美人」「上下関係が厳しそう」等々の発言。
イメージは画面に出ている部分で作られるが、実際は華やかなところから地味なところ、もっともっともっと地味なところがある。テレビに出ていない部分を話すと、
スポーツは取材相手との恋愛御法度。芝生に入ることもあるので、服装は動きやすくスニーカーで地味。取材前に選手のデーターを調べ、けが情報も常にチェック。通勤電車からスポーツ新聞を何紙も読む。5時間の準備が吹っ飛んだりもする。
取材の100分の一出せたらいい。その一瞬に光るコメントを出せたらうれしい。
オリンピック取材を目指していた。全局の中から選ばれる役。一人しかいけないので何人分もの仕事をする。選ばれる前の数年前から選手に目を付けて取材をつづけた。
オリンピックの一ヶ月は睡眠時間2時間。責任感でアドレナリンが出て元気。
女子ラグビーにチャレンジしてかさぶたつきで自分の試合をニュースで伝えたこともある。
2月に異動が決まって4月から新しい担当になる。二ヶ月で玄人にならなければいけない。競馬だったら馬の名前を何百頭も覚える。でも、仕事はつらい気持ちより楽しい気持ちが強い。
経済番組担当の時は、4時50分に起きて出社。日経新聞を読んで、その日の株価を左右するであろうニュースを自分で5つ選んで、原稿を書く。メイク、発声をして、8時57分30秒に番組スタート、終わると次の打ち合わせがあち、6時まで仕事。
制作スタッフが作ったレベルを自分が理解していないと足を引っ張ることになるので勉強する。難しい言葉を簡単に伝えるには自分が理解しておくことが必要。番組ができるまでにたくさんの人が携わり、それをアナウンサーの一言で台無しにもするし、貢献もできる。日々成長できる仕事。
正月番組では振り袖を着て数時間。映っていない間は倒れている人もいた。
ここで生徒に輝く女性とは?と質問。
生徒からは「自分の好きな仕事で成功している」「一生懸命やっている人」「恋している人」「何事も手を抜かないでやっている人」等々の答え。
私の答えも「一日一日一生懸命生きている人」
そのためには努力をする癖を付ける。28歳で輝くため、今から輝く女性像にあてはまる目標の人を定める。素敵な人の10年後、20年後をイメージして、目標にしている。
■ 営業
学生の時は新聞記者になりたかったがテレビ局に就職し、営業を18年間やっている。地味な仕事だが楽しいこともある。
入社するまでまでどうやってテレビ局が生計を立てているか知らなかった。その後、CMで成り立っていると知った。
テレ東はそれが収入の80%。他にイベント、番組販売、アニメのキャラ商品等が20%。
制作費、電波料を生み出さなくては番組は作れないのでスポンサーが必要。営業とは一言で言えばCMをとってくること。
企業はいい商品をつくればいいかというとそれだけではない。広告も必要。そこで、予算をもらってくる。
広告するのは商品だけでない。企業そのものを宣伝することをブランディングという。広告理論でアイドマという言葉がある→AIDMA=アテンション、インタレスト、デザイヤ、メモリー、アクション(最近はサーチも入る)。これが購買に結びつく。テレビは「A」を担っている。
営業の仕事は「こんな番組だったら視聴者が喜ぶ」と思ったら、自分で企画し、スポンサーを見つけ、提案することもできる。
自分は、サーフィンやスノーボードがそれほど認知されていなかった時代に、この楽しいスポーツをはやらせたくて、それまでに信頼関係を作ってあった企業に何度も通ってお願いし、スポンサーをつけて局へ持ち帰り、企画を通すことができた。
目指すものは強力なコンテンツを作ること。視聴率だけでなく広告主の満足も大切。
番組宣伝だけでなく、DVDやオンデマンド等でも宣伝しつつグッズも宣伝する。これが番組と一体となった宣伝例。