2014/3/27 木曜日

特別講座「平家物語の世界~平曲を聴こう~」

未来創造甲子園NES・高校生の起業家講座

1月から本校等を会場におこなっていた高校生の起業家講座NES2014の最終審査会が週末に行われます。 この講座を通して、120人(27チーム)の中高生がそれぞれのビジネスプランをつくりあげ、最終審査会に残った10チームが発表します。 内容はもちろん、プレゼンもきっと面白いと思います。是非ご参加を。私もチェンバーオーケストラのコンサートの前に、行く予定です。

日時:3月31日(月)13時~ 場所:東京大学 伊藤謝恩ホール 申し込みはこちら

今日は日本文化を知る特別講座の報告です。担当の伊藤からです。

前田流平家詞曲相伝、鈴木まどかさまをお迎えし、4年生8名が平曲を聞きました。

琵琶の話、平家詞曲の話、琵琶で奏でる音や、語る声のスピードや高さの話。
概要を画像や図を用いてお話しいただいてから、いよいよ実際に聴くことに。

曲目は冒頭「祇園精舎」の一部、「忠度最期」「海道下」と「那須与一」。
それぞれ丁寧な解説をいただいたあと、姿勢を正して琵琶の音と語り手の声とに耳を傾けます。
暗唱した部分、来年度学習する話、初めて聴く話、中等部で学習した話。
懸命に詞を追い情景を思い浮かべようとする生徒もいれば、上手に舟を漕ぐ生徒も。実は、本題の前に聴き方についてのやさしいアドバイスをいただいていました。

「聴いていて眠たくなるのは当たり前、で構いません。上手な聴き方は、夢うつつの状態で、登場人物が近くに現れるような気分でいること。(いびきをかいて爆睡、にはならないように。)琵琶の音と語り手の声を聴くままに、平安末期の世界に意識を持って行けたら御の字です。」
最初は緊張していた生徒たち。「珈琲飲んできました」と言う生徒もいました。
しかし、この助言のあとはすこし安心した表情に。寝てしまって語り手に不快な思いをさせたら、と心配していたようです。

ただ、無心で聴いて夢うつつの状態で平安末期の世界に浸るには、まだまだ古文の学習が必要みたい。そんなことも実感した、との声がありました。すばらしい気づきです。
今後はうとうとしてたって内容が追える!というレベルを目指していくことでしょう。

生徒の感想を一部紹介いたします。
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・今まで平家物語のはじめは暗記するだけで、どのような情景をうたっているのかあまり考えていなかったのですが、琵琶の音を聞いて、こうかもしれないああかもしれないといろいろ考えることができ、楽しんで聞くことができました。
・祇園精舎や那須与一は以前授業で習って知っていましたが、改めて琵琶とともに聴くと、情景が思い浮かぶ感じがしました。とても落ちついて聴けました。
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一節一緒に語らせていただき、全曲目を終えた後のフリータイムは怒濤の勢い。
実際に琵琶を持たせていただくと、ギターみたい…とか重い…の呟きが。
そして気になることを聞ける貴重な機会を逃さない姿勢は流石品女生、見事でした。琵琶そのものの構造、伝承、琵琶法師について等々、質問が続きます。
余裕をもっていたはずの終了時刻も、気づけば最終下校時刻ぎりぎりになりました。参加生徒は勿論、同席した教員まで、貴重な機会をめいっぱい満喫できました。
毎年足をお運びくださる鈴木まどかさまに心よりお礼申しあげます。