2014/3/22 土曜日

能の講演

カテゴリー: 28プロジェクト:日本 — 漆 @ 17:47:35

今日は今学期の修業式、離任式、中等部卒業証書授与式がありました。この様子はのちほど。

日本文化シリーズに関連して、2学年の総合学習で行った能の講演について伊藤からの報告です。

2年生の総合学習では、浴衣の着付け、茶道、華道と「日本」をテーマに学んできました。 一年間の最後に控えているのは、学年末試験後の能楽鑑賞。

その前にちょっとだけ能のことをかじっておこう、ということで、総合学習の時間に、観世流シテ方能楽師、鈴木啓吾先生をお招きしました。 
 能という芸能が出来上がっていく経緯のお話の後、『五番立』という曲目の種類紹介。能楽鑑賞の日に観るのは、おどろおどろしい鬼婆の曲『安達原』(五番目物)。その曲はそこでじっくり楽しんできてください、ということで、この日は天女の曲『吉野天人』(三番目物)を写真も交えてご紹介いただきました。
   途中、素人の方お手製の能の面を手にとらせていただくと、生徒達は大興奮。こわーいと言いながら顔にあてたりする人もいれば、目をそらしながらパスする人も。時間内にまわりきらず、授業後に触りにくる生徒も出てしまいました。

一通り話を聞き終えた後は、一節を生徒皆で謡うというチャレンジ。220名の謡、恐る恐るだったり勢いあまったりしながらも、それぞれが声を出しました。講堂に響いた声は、先生からもお褒めの言葉を頂戴しました。

皆で謡った詞章を含む仕舞『吉野天人』を鈴木先生にご披露いただき、終了。地謡は、大学で能楽研究部に所属している学生がお手伝いに来て謡ってくれました。能も歌舞伎も男役者の声を耳にするため、女性の謡は新鮮に聞こえたようです。

質問タイムには、装束の重さを聞いたり値段を聞いたり、たくさんの驚きがありました。

桜を背に舞う美しい天女の曲をこの日に学び、能楽鑑賞当日には恐ろしい鬼婆の曲を観ることに、違った種類の曲を中学2年生で見比べる、贅沢な機会の準備ができたようです。