2009/2/18 水曜日

今日のお客様&教科イチ押し22森美術館

今日は、朝礼の後、品川区役所の方が、成人式のお礼にみえました。(先日ブログでご紹介しましたね)。ブラスバンドとフラワーアレンジ部のみなさんに「来年もご協力よろしく」とのことでした。

そのあと、大学から授業コラボレーションのご相談でお客様がいらして、

午後はニュージーランドの学校、セント・ドミニクス・カレッジの校長先生がおこしになりました。何度かブログでもご紹介したことがありますが、長いおつきあいのある学校です。今も、高等部生が長期留学中、来月には3年生が修学旅行でお世話になります。

校長先生が校内を見学なさっていたら生徒が新しい留学生と間違えたそうです。(私より年上なんですが、どうしたら「留学生」に見えるの?)

さて、イチ押しのつづき、今日は国語科のイチ押し。

なぜか「美術館」です。なぜ?がおわかりいただけるよう、「ねらい」「生徒の感想」など引率の塩崎から「イチ押し最終回」にふさわしく詳し~くご紹介します。

「国語」の授業で「美術」館見学、というのは珍しい試みだと思います。
今回森美術館のスタッフの皆さまの細やかなご対応で、ねらいが達成された面白い見学会になったと思います。
また、スタッフの方のお話では、本校の生徒は「こちらが予想しないことを発想する」「お行儀がよい」生徒だったということで、安心しました。

■ねらい:
感想文や意見文を書くとき、「楽しかった」「筆者に賛成」は書けても、その先をどう続けていいかわからない生徒をよく見ます。
テーマに迫るべき切り口が考えつかないという訳です。
そこで、この度森美術館にご協力いただき、作品との対話を通じて、様々な「ものの見方」を学べればよいと思いました。

■内容:
森美術館では、「チャロー!インディア:インド美術の新時代」という展覧会が開催中です。
http://www.mori.art.museum/contents/india/index.html
まず、見学会の前の説明会で、「インド」のイメージを各自書きました。
当日は7人ほどの小グループに分かれ、専任スタッフの方のガイドでいくつかの作品を見ました。
その間、スタッフの方が生徒に語りかけ、生徒の発想を引き出してくださいました。
同じグループの生徒同士語り合うこともできました。
その体験を、家に帰ってワークシートに言葉でまとめました。

081217mam.jpg

■ワークシートより:
1(1年生)
印象に残った作品:クリシュナラージ・チョナト『小舟』
理由:豊かさの象徴のジャグジーバスに、古そうな像などが放りこまれている作品でした。
浴槽にオールがささっていて、「これからインドはどちらに転ぶのか」ということを風刺しているのではないかと思いました。
大きな蚊が印象的でした。

2(2年生)
印象に残った作品:シルパ・グプタ『無題』
理由:この展示は、自分で体験するもので、映像の中で自分に向って黒い影のような「モノ」がくっついてくるというものでした。
初めは友達にくっつけたりして楽しいと思っていましたが、本当はこの展示は戦争がテーマであり、黒い影のような「モノ」は、戦争で使われる武器や、犠牲となった人々の一部であることが分かりました。
また、この展示が本当に伝えたいことは、戦争は他人のものではなく、自分自身の問題で自分でしかかえられないということなのかもしれないと思いました。

3(2年生)
印象に残った他の生徒の発言:(横たわっている象の立体作品=バーラティ・ケール『その皮膚は己の言語ではない言葉を語る』に対して)「象は生死をさまよっている」、「象は出産しようとしている」
理由:一方は死のイメージ、一方は新しい命についてで、全然考えていることがちがっていることが、おもしろかった。

4(2年生)
印象に残った他の生徒の発言:(クジャク頭部の立体作品=ジャガンナート・パンダ『祖先Ⅱ』に対して)「不死鳥ではないか」
理由:前に不死鳥と宇宙を題した作品を読んだことがあり、生き物の生命は全て同じというメッセージを思い出しました。
この作品も、たとえ祖先がかたつむりや美しいくじゃくでも命に変わりないという事を伝えたかったのかと思いました。

5(3年生)
美術館という場所について、今回の見学会で得た印象:
「見る」だけでなく作品について「考え」たり、その時代背景などを「読み取っ」たりすることも大事なんだと思いました。
美術館はそういうことができる場所だと思いました。

6(1年生)
作品と対話し、言葉で表現するということについて:
作品を見て思ったことや浮かんできたイメージを言葉にするのはとても難しかったけど、それらのことを言葉にできた時に感じるスッキリとした感じがとてもうれしかったです。

7(2年生)
作品と対話し、言葉で表現するということについて:
最初は思ったことをすぐには言葉に出せなかったりもしたが、他の人の意見も聞けたので、様々な形で作品を見ることができ、とてもおもしろかった。

8(1年生)
森美術館のスタッフの方へ:
パッと見て分からなかった作品等を、一緒に考えつつ、説明をしてくださったので、それぞれの作品の特徴をしっかりとつかむことができました。
ありがとうございました。

9(2年生)
森美術館のスタッフの方へ:
班員全員に積極的に話しかけたり、作品を解説してくださったりして、とても楽しかったです。
美術館のイメージががらりと変わりました。
大変お世話になり、ありがとうございました。

10(2年生)
森美術館のスタッフの方へ:
私たちの意見や考えを積極的に聞いてくださり、ありがとうございました。
おかげ様で、自分の感じたことをはっきりさせることができました!