2013/3/7 木曜日

本を出版しました。15教科イチ押し見学会(森美術館)

カテゴリー: 28プロジェクト:社会,お知らせ,行事 — 漆 @ 17:51:20

昨日の夜、ショートコースの生徒達と帰国しました。他の学年は学年末試験中。今朝もノート片手に登校していました。

本日、朝日新聞出版より本を出版しました。「女の子の未来が輝く子育て 娘も親も幸せになる7つのレッスン 」です。

その内容にも触れた対談記事が週刊朝日(3月13日発刊)に掲載されます。林真理子さんのページです。

では、教科イチ押しの続きです。引率の塩崎からの報告です。

例年、お世話になっている森美術館見学で、個人で行ったのでは体験できない見学会をしていただきました。生徒の感想がおもしろいです。

← 作品《ハート》の下で集合写真

森美術館にお世話になって6年目となりました。
今回は2012年11月17日~2013年3月31日開催の「会田誠展:天才でごめんなさい」を見学しました。
少人数のグループに1人専任スタッフの方がついてくださり、生徒の興味を引き出してくださるという贅沢なツアーです。
スタッフの方のお声掛けにより、物事に対する様々な視点を学び、言葉にしていくことを目標としています。
生徒たちにワークシートにまとめてもらった言葉を、いくつか紹介します。
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Q 印象に残った作品名と、それらについて考えたこと
・(《火炎縁蜚蠣図》に対して)金箔とゴキブリはある意味正反対のものなのに、2つをいっしょに描いていたから。(1年生)
・(《考えない人》に対して)ロダンの《考える人》に座っているポーズが似ているが、目が半開きだったので「本当に考えているのか」と思った。(2年生)

 ← 《考えない人》の前で、スタッフの方がロダンの《考える人》と「弥勒菩薩半跏思惟像」の写真を見せてくださり、生徒はこの作品と似ているところを考えています。
会田 誠《考えない人》 この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

・(《紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)(戦争画RETURNS)》に対して)会田誠さんはなぜ、ニューヨーク市全体を日本の戦闘機で埋めつくして街を燃やしていたのかを、聞いてみたいと思った。(3年生)

Q 各作品や展覧会全体に関する他の生徒の発言で印象に残ったことと、その理由
・(《紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)(戦争画RETURNS)》を見て)飛行機が∞(無限大)のマークで、戦争が続くのだと言っていて、そうなのかなと思ったから。(2年生)
・(TEAMマコプリ(監修:会田誠)《エスケープ》を見て)ピンクのテントみたいな作品に対して「こわれていく感じ」と発言していた。一言で言い表すことができない作品で印象にも残っていたし、こわれていく感じと聞きなぜかしっくりきたから。(3年生)

Q 「日本的」だと感じる作品がいくつかあると思います。
・なぜ「日本的」だと思ったか?
・あなたの感じた「日本的」は、いわゆる伝統的な日本文化か、現代のものか、両方か?
・「日本的」なものを見てどのように感じ、考えたか?
など、自由に述べてください。

 ・日本的だと感じた作品は、やはり《あぜ道》と「戦争画RETURNS」シリーズだと思います。しかし、どの作品を見ても、伝統的な文化が描かれている点もあるし、現代的な点もあることに驚きました。(1年生)

・ゲームの中の女の子たちを描いた大きな作品があったかと思いますが(《ジャンブル・オブ・100フラワーズ》)、それが「現代の日本」的だと思いました。アニメやゲームは現代を代表する日本文化だと思うので、その作品が日本的だと感じました。また色使いが他とは違って現代風であったと思いました。(2年生)

Q 作者の会田誠氏にはどんな面があると感じましたか。いくつでも自由に述べてください。
・自由で楽しく生きていそうで、また、逆に死や犠牲についても考える(戦争など)。何も考えてなさそうで、実は世界情勢をよく知っていて、作品を通し、訴えようとしている。(2年生)

・どの作品も過激、でもそれは会田さんの感じるままなのだと思う。女の子の作品が多いと思えば、戦争や平和などというテーマもしっかり考えてらっしゃる。美しいものだけでなく、むしろ人間の色々な面、悪い面も描く人だと思う。(3年生)

Q 美術館という場所について、今回の見学会で得た印象
・新たな発見がある場所。(1年生)
・ここの美術館では喋ってもいいのか!と思った。人と話しながらの方が作品に対して感じることが深まって良い。(3年生)

Q 作品を見て、言葉で表現するということについて
・心の中で思うのはできたのですが、作品にあう言葉をみつけることが難しかったです。(1年生)
・難しかった。なんだかよくわからない作品ってあると思うが、それを見ただけでは「?」と思うまま流してしまいがちだ。でも、言葉で表現することで整理できるし、共有することでそれが深まり、違う見方もできるから良いと思った。(3年生)

Q 今回の展覧会「会田誠展:天才でごめんなさい」の感想
・展覧会の名前のとおり、ある意味天才だと思いました。だれもが思いつかないような絵を描くのでびっくりしました。(1年生)
・本当に楽しく見させていただいて、次の部屋へ移るとジャンルやイメージががらりと変わるのが楽しかったです。「本当に同じ人の作品なのか」と思ったところもありました。(2年生)

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お世話になった森美術館の皆さま、本当にありがとうございました。
これをお読みの皆さまも、ぜひ森美術館に行ってみてください。

**過去5年間の様子**

2007年度 教科イチオシ見学会①森美術館

2008年度 今日のお客様&教科イチ押し22森美術館

2009年度 春期講習・教科イチ押し 森美術館

2010年度 気になる声シリーズ ⑥教科イチオシ見学会【森美術館】

2011年度 17教科イチ押し見学会(森美術館)