2009/1/9 金曜日

教科イチ押し施設見学会⑥日本銀行本店・貨幣博物館

カテゴリー: 28プロジェクト:社会,授業・学習・進学 — 漆 @ 17:28:08

教科イチオシのつづきです。今日は、日本銀行本店・貨幣博物館です。卒業生も勤めています。以前、教育用のビデオの企画に生徒が参加させていただいたこともあります。以下、引率の大井からのご紹介です。 

私たちが見学させていただいたのは、日本の金融の中心だった日本銀行本店です。今回は中1から3年までの49名の生徒と見学させていただきました。日本橋のビル街の中に、明治時代の荘重な建築物が、堂々とたたずんでいます。設計は東京駅の駅舎も手がけた、辰野金吾です。国の重要文化財にもなっており、高校日本史の教科書にも載っています。受験生は要チェックです。 081217.jpg

最初に中央待合室で出欠確認、この待合室の正面広場は明治時代は駐車場だったそうで、馬車をひく馬のための水飲み場があります。馬の水飲み場は今でも水が出るとのこと、先日DAIGOくんが、テレビ番組の取材に来たとき蛇口をひねったらすごい勢いで水が出て、ズブ濡れになったそうです。

案内の方にみんなでご挨拶をして、映写室へ移動、日本銀行の役割や金融のはたらきをビデオで学習しました。(この日に案内をしてくださった方は生徒と電車で乗り合わせていたそうです。生徒たちの行動を見て、「しっかりした生徒さんばかりですね。」とお褒めの言葉を頂戴しました。生徒がほめてもらえると、うれしいものです。)

3年生は社会の授業で学習したばかりだったようで、「試験前に見学に来たかった」と言っていました。2年生のみんなは、来年学習する重要な箇所なので、覚えておくように。説明が終わると、1億円のお札のパックを持って重さを体験して(「年末ジャンボ宝くじ当たらないかな」などと中学生らしからぬことを言っている子もいましたが、重さを実感するだけで我慢してください)、いよいよ館内見学がはじまりました。

まずはエレベーターに乗って地下大金庫へ。厚さ90センチ、重さ25トンの分厚い扉で守られています。つい最近まで100年以上使われていた大金庫です。関東大震災でもびくともしなかった大金庫ですが、降り注ぐ火の粉が地上の建物に入り出火したそうです。そのときの消火作業で地下金庫にしみこんだ水のあとが、いまでも白い線となって壁に残っていました。

その後は2階へ行き、日本銀行の歴史を知るための展示物を見学、生徒の中には説明にしきりにうなずいている子もいました。歴代の日銀総裁の肖像画のコーナー、通称「松の廊下」では、説明を受けながら、「この人のお兄さんの岩崎弥太郎をしっている」「高橋是清っていつの総理大臣だっけ」等の声も聞かれました。

081217-002.jpg

ふたたび1階に戻り、案内の方にご挨拶をして見学を終了。その後、隣接する貨幣博物館を30分ほど見学しました。和同開珎や室町時代に伝えられた明銭、江戸時代の小判など、興味深げに見ていました。中には記念貨幣のコーナーで、「これお父さんが持っている」などと言っている子もいましたが、一時期話題になった天皇陛下在位60年記念の10万円金貨でした。本校の生徒は、金融などに関心の深い子が多いので、今回の見学が良い勉強になれば幸いです。この子たちの中から、将来の日銀総裁が出るかもしれません。

もう一人の引率、小池からの報告です。

集合後、まずAVルームで日銀の役割と歴史についてのビデオを見たあと、ガイドさんに連れられて厳重なセキュリティを通り、内部に入りました。

旧本館は、明治に建てられた重厚な建物で、とくにクラシックなエレベータ(ドアの上に半円形の、階を指す目盛りのようなものがついているのですが・・・わかりにくくてすみません)には生徒も驚いていました。

昔は日銀の館内で、時間を知らせるチャイムが鳴っていたそうですが、チャイムが使用される以前は拍子木を使っていたとのことで、実際に音声機器からその音を聞かせていただきました。とてもよく響く音で、生徒も聞き入っていました。

生徒が一番興奮していたのは、旧地下金庫でした。厚さ1メートル以上はありそうな扉(大人の男性二人がかりで開閉するそうです)の中に、現金を運ぶためのトロッコの線路跡や、お金を収納するため小さく区切られた部屋などがありました。

部屋の壁には、白っぽい汚れのようなものが縦に数メートルに渡ってついていたのですが、ガイドさんによれば、関東大震災で火災が起きたとき、地上階の消火活動の際に使われた水が、地下の金庫に染み出してできたものだそうです。

一億円と同じ重さの札束が置いてあるコーナーもあり、みんなそれを持ち上げて一億円の重さを体感していました。生徒のロッカーがいっぱいになるくらいの量だったのではないかと思います。

貨幣博物館では、紙幣の偽造防止のための仕掛けや、世界の珍しい貨幣、紙幣の展示がされていました。

休憩所の自販機にはお札の模様のタオルやペンが売られており、かなりの生徒がお土産として購入していました。

全体的に普段は目にすることのできないものがたくさんあり、生徒が新鮮な、わくわくした表情をしながらメモを取っていたのが印象的でした。