特別講座 品川ヒロシさんのシナリオ学
特別講座は、28プロジェクトの一貫で行っている希望者対象の放課後授業です。 専門家のゲストをお呼びして、学校の授業では体験できない学問・社会の様々な分野について学び、視野を広げていきます。
これまでも、哲学、生物学、工学から、映画のプロモーション、テレビ番組の制作まで多岐にわたって行ってきました。
今回は、漫才師、小説家、映画監督と幅広く活躍されている品川さんのご指導で、「コミュニケーション」について考えながら「映画のシナリオ」を創り上げていく、約半年間に渡るワークショップ型の講座です。
第一回目は、講座のイントロダクションおよび、品川さんと参加生徒の自己紹介でした。
品川さんからは、「教えるというより、みんなで考えを出し合い、最終的に短編映画を撮っていきたいと思っている。おもしろいことを言ってほしいとかいう期待はしないでくださいね」と、シリアスな内容であることのご案内が。
そして、早速、「初回から得るものがあった方がいいですね」と、「桃太郎」をショートムービーにするとしたら?という例で、シナリオの「設定」の説明がありました。私のメモを紹介すると、
桃太郎の話だけだと映画としては弱い。つっこみどころが多い。動機・いいわけが必要。
・なぜ鬼ヶ島に行くのか
・なぜみんなの代表で戦わなければいけないのか
・なぜ鬼と同等に戦えるほど強いのか
そして、落ちが必要
・鬼は宇宙人でした
・鬼は桃太の父でした
多くのストーリーは、「主人公VS敵」のフレームワークでできている。(例えば、闘病記であれば、病気が「敵」。年の差婚であれば、敵は「年の差」)
「敵」も魅力的に作る。(ワンピースだったら、ルフィはもちろん、クロコダイルも魅力的に)
その、それぞれの目的説明を冒頭にもってくる。次に主人公の仲間を作っていく。
ショートムービーは起承転結でなく、「起転結」。起と転がほぼつながって一気に結へ。時間が短いので、インパクトのあるフックが必要。そして、衝撃的に終わらせる。
ストーリーはどう考えても、160数通りに分類されると言われている。新しい物を作り出すというよりは、あるものをどう組み立てるかが勝負。ベタな設定でもくっつけ方でベタでなくなる。
説明の後は、生徒の自己紹介です。もともと興味があったという子はもちろん、苦手なのでチャレンジしたいという発言が多いのが「品女的」でした。
・何かを作り出すのは得意じゃないので、チャレンジしてみました。
・楽しいことを見つけだすのが好き。シナリオを作ってみたい。
・映画が好き。本を読むのが好き。
・一生のうちになかなかない機会だと思うので。
・人前ではなすのが苦手だけど、努力していきたい。
・文芸部。しっかりした作品を作りたいので。
・進路に悩んでいて、いろんなことにチャレンジしたい。
・なにもないところから一つのものを作り上げるシナリオに興味があって。
・将来、メディア関係の仕事につきたいので。
・共同作業が苦手なので、みんなで一つのものを作り上げることに参加したかった。
・直感で。夢のひとかけらを見つけたくて。
・恥ずかしがり屋で目立ちたがり屋なので。
最後は、グループで映画の設定を考え、発表、そこに品川さんからコメントをいただきました。
これからの半年、毎回、課題映画を見てくるなど、宿題が出るそうです。厳しく、実践的な講座になりそうです。
*明日は演劇部の発表会があります。
*始業式にご紹介したテニス部の優勝メンバーに中谷さんのお名前がありませんでした。ごめんなさいm(_ _)m