2011/12/12 月曜日

返ってきた模試やテストを最大限に活用するために

カテゴリー: 保護者,受験生,授業・学習・進学 — 漆 @ 18:17:30

昨日の日曜も本校が中学入試の模試会場になっていました。

最後の模試ということで、お子さんも親御さんも緊張気味でした。

模試の成績は上がったり下がったりするものです。結果がよくても悪くても、それをどう使ってモチベーションを上げるかが大切です。

こんな卒業生もいました。
「12月の模試で偏差値が40に届かなくてもあきらめずに2月まで頑張って合格、在学中は部活に打ち込み塾予備校には一切通わず勉強と両立。品女ライフを満喫し、現役で国立現役合格!」

一方、第一志望に余裕で届くと思ったとたん、のんびりしてしまい、2月の時点ではギリギリだったという話も聞きます。

根気、集中力、克己心・・・志望校合格という目標に向かって頑張ったその過程で身についたものは決して無駄になりません。

数字を一度横に置いてその「プロセスの価値」に目を向けてみるといいかもしれません。

偏差値はあくまでもその模試を受けた人の中での相対的な位置を示すものです。併願校の選択など、一通りの計画を立てた後は、志望校の入試問題で合格点をとる学習に集中します。

そのために、模試が返ってきたら、数字ではなく、どこでどう得点し、どこでどう失点しているか中味に目をむけてください。

生徒が言っていました。テストの後、やる気をくじく親の一言は、

「悪かった科目のことだけを言う」

やる気の出る親の一言は、

「できたところを褒めてくれる」「できないところは具体的なアドバイスをしてくれる」

点数が悪いとき、本人が一番分かっているのです。叱っても頑張れと言われても何をどうしていいか分かりません。

大切なのは、お子さんが「行動」に移せる言葉がけです。

結果が悪かったら

「大丈夫。これで気を引き締めて、当日○○校の試験で合格点をとればいいよ」

よかったら、

「この調子。入学したら英語とか新しい科目も増えるから楽しく勉強できるように今のうち貯金しておこう」

などと、「やる気のスイッチが入る一言」をかけてあげてください。

(ただし、このまま使ってはダメですよ。お子さんの性格や気持ちに合わせないと同じ言葉が逆効果になりますから)

そして、もう一度、慎重に解かせ、(点が上がるはずですから)

「本当は○○点だったね」とその点を隣に書き、よいイメージを描かせると同時に、

「もったいなかった、今度は頑張ろう」という気持ちが自分の中からわき起こるようにしてあげてください。

次に、志望校の過去問と照らし合わせ、

「本番でうまくいくためにはどう工夫したらいい?」と聞き、本人が出したアイディアをノートに書かせます。

(人から言われたことはすぐ忘れ、自分で考えたことは身につきます)

その後は、過去問をできるだけ多く解き、足りない部分を補強する勉強をし、ケアレスミスを減らし、志望校の合格点に近づけていきます。

入試直前に、このノートをまとめて確認すれば、何より効き目のあるお守りになるはずです。

本校では、模試の後、品女シートと名付けたシートを使って、模試活用の新しい指導をしています。
このシートは、返却された模試の解答状況と、全国の高校生の正解率のデータの比較から、自分の課題を発見しやすく工夫したものです。

記入されたシートからは、易しい問題の取りこぼしや、正解できた難問の情報や、志望校に合格するために求められる問題レベル等がわかるようになっています。

担任は、提出されたシートから生徒とのコミュニケーションを通じて、課題を確認し生徒自身が能動的にその解決に行動できるように助言していきます。

模試は偏差値を知るためだけの物ではありません。こうして最大限に活用し、受験勉強のPDCAを回していくことが志望校合格への近道なのです。

生徒の皆さん、普段のテストも同じですよ。明日からの自宅学習日、時間を有効に使ってください。
6年生は金曜のセンタープレに向けてラストスパートです。(今のつらさは必ず未来に活きるからね)