2012/11/5 月曜日

⑤5年生・早稲田大学連携授業(社会科学部)

一昨日は本校が中学入試の模試会場になっていたので、私からも保護者のみなさまへ入試のその後の世界から見た学校選びについて、少しお話させていただきました。

例年、入試前後のブログで受験の際にしておいた方がいいこと、しない方がいことなどをまとめています。3年前のブログには「国語であと5点」シリーズも書いていました。参考にしていただけるかもしれません。

昨日は、華道の授業でお世話になっている草月流の展覧会に行きました。州村先生の作品の迫力に背筋が伸びました。(なのに今朝も腰が(>_<)。急に寒くなったからでしょうか?みなさんも風邪などひかないように気をつけて)展覧会は日本橋高島屋、火曜までです。

早稲田大学連携授業の続きです。担当の小川からの報告です。

「メディアと社会変容」 早稲田大学社会科学総合学術院 准教授 清家竜介先生

今回の授業では、メディアと社会のつながりについてお話をしていただきました。
まず、メディア概論として、メディアは「メッセージ」「マッサージ」「身体の延長」である、という内容を話してくださいました。

身体の役割が拡張されたものがメディア、というお話のときには、 「今この教室では声だけで話していますが、実際の大学の授業では教室が大きいためマイクを使わなければ声が届きません。
マイクは声を拡張・増幅してくれるメディアなんです」 「(光の出るポインターで壁に円を描きながら)ポインターは指が届かないところでも指し示すことができます。このポインターが指の延長となっています」 など、具体例をまじえながらわかりやすく話してくれ、普段の大学の授業風景などにも触れてくださいました。
「メディア=身体の延長」というテーマは、現代文の評論文でもよく扱われるテーマです。
こうしたお話をきっかけに興味を持って考えてくれれば、入試などで読んだときに、具体的なイメージを頭の中に浮かべられるのではないか、と国語科の担当教員としては嬉しく思いました。
次に、歴史を遡り、聖書を通してメディアの本質を考える、というお話になりました。
世界史の好きな生徒が目を輝かせ、たくさんメモを取っていました。
昔の本に使われた紙は羊皮紙で、羊一頭から4枚しか取れない非常に貴重な紙だった、また文字も専門職による手書きで一字一字書いており、本一冊とお城が同じくらいの価値だったそうです。
また、難解なラテン語で書かれていたために、読書層は限られていました。
そんな時代から、羊皮紙から紙へ、手書きから活字へ、ラテン語から俗語のドイツ語へと変化することで、識字率が飛躍的に上がったそうです。
メディアの変容は社会を変える。FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアによって、変化の時代が今また訪れている。
大変だが面白い時代になっており、そういう時代を生き抜いてほしい、というお言葉で、授業は締めくくられました。
大学の授業ならではの専門性の高い内容に触れながら、一方で、普段は別々の科目として授業を受けている現代文と世界史の内容が結びついた授業でした。

生徒が今、高校の授業で勉強していることは、決して高校の中で終わる知識ではなく、現代社会とつながっている知識なのだということが、大学の模擬授業を通して生徒にも伝わったのではないでしょうか。

*オーストラリアの姉妹校イプスウィッチ・ガールズ・グラマー・スクールから、1月に短期留学生4名が来日します。5日~20日の約2週間の予定です。ホストファミリー募集のプリントを配布しましたので、ご協力よろしくお願いします。

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