1年生の地理の授業
今週と来週、1年生の地理の授業に6名の留学生が特別参加しています。
それぞれ、自分の国について紹介をしたあと、グループに分かれて話をするという形式です。
6名中4名は、来日して2か月ほどです。
まだ、日本語でのコミュニケーションがスムーズにはいかないという場合が多いですが、覚えた単語や表現を使って楽しそうに話をしていました。
スウェーデン、オーストリア、アメリカ、タイ、韓国 の紹介をそれぞれしました。
各国出身の有名人や、食べ物や気候について話すと、「へぇー…」「おぉ~」と、1年生はとても素直な反応を返します。それに対して、発表する留学生のほうもまた新鮮な印象を受けたようでした。
1年生にとっては一回きりの授業ですが、留学生は5クラスで同じプレゼンテーションを繰り返します。「また~?」と飽き飽きしているようにも見えますが、実際のところ、一回目より二回目、二回目より三回目、と、プレゼンテーションが上手くなってきているのがよくわかります。
一般的に、人前に立って話すのは、簡単なことではありません。自分の母語をしゃべるだけでも、少なくとも緊張しますよね。それでも彼女たちは、大勢の前で、しかも別の言語で堂々と話しているわけです。自分だったらどうするだろうか、彼女たちのように、別の言語を使って立派に話すことができるだろうか、と、見学しながら心の中で考えました。
分からない言葉があったら、ジェスチャーを使う、写真や実物を見せる… いろいろな方法があります。何かを伝えようとする姿勢、理解しようとする姿勢の大切さは、世界共通だと思います。だからこそ、分かった瞬間、心が通じたと思った瞬間には、自然と笑顔が生まれるわけです。
お互いを理解するためには、まず、「知る」必要があります。ステレオタイプで凝り固まっている人に会ったら、実情、現状を伝えなければいけない。自分の出身地域について勘違いされていたら、その誤解を解かなければいけない。日本の”外”ではありますが、前提として私たちは同じ人間です。外国語を学ぶことは、そのひとつの手段だと思います。言いかえれば、手段にすぎません。コミュニケーションをあきらめてはいけない。気持ちが通じた瞬間の、相手の笑顔をずっと覚えておいて欲しいと思います。
と、このようなことを意識せずとも、とても意義のある時間を留学生、日本人ともに過ごしていたことは確かです。
生き生きとしたお互いの表情がとても印象的でした。
国際交流部 瀬戸口