2017年8月10日

⑧大学出張授業報告【早稲田大学 商学部】

カテゴリー: 百代の過客 — 仙田 @ 3:20 PM

担当の名越から報告です。

早稲田大学商学部 准教授 山野井順先生の大学出張授業の報告をさせていただきます。

『企業の経営において「国境を超える」ということ』というテーマで経営戦略論と国際経営論の話をしていただきました。
まずは、この学校の「28歳プロジェクト」の話から、28歳までの時間の中で、大学が一番時間をもてるときであるので、大学生というお話をしていただき、大学で何を学び、どのような時間を過ごしたかが、とても大事という話をしていただき、本題に入っていかれました。
「企業経営において『国境を超える』ということ」という話で国際的な話に入る前に、国内で、どのようなことが行われているかを話していただきました。カップ麺の「どん兵衛」の関西と関東でのだしを変えて販売していることや、コーラはコンビニと自動販売機ではなぜ価格が異なるが、売れているか?(便利さをお金で買っている)ことなどをきっかけに、企業の経営戦略は実は、身の回りにもあふれているという点から、国際的な話に膨らまして話が進みました。
1番目に話されたのは、「なぜ生産のグローバリゼーションがすすんだのか?」という話でした。
「企業のグローバリゼーション」は第二次世界大戦後に始まったが、その要因は三つあった。
○財・サービス、資本の自由な流出入を妨げる障壁が、第二次世界大戦後に、減衰したため、各国が海外直接投資を多く受け入れる傾向にあり、また、国際貿易における関税が低下したため。
○通信・マイクロプロセッサー、インターネットの発明、発展や輸送技術の進歩などがあった。
○企業間競争の激化
という三つをあげ、そのため、世界中のどこでも同一製品を作ることができるようになったと結論づけ、二つ目の「市場のグローバリゼーションはなぜ進んだのか?」という話に進まれました。「市場のグローバリゼーションはなぜ進んだのか?」という話は、インター ネットなどの技術の向上により、顧客の思考が集積しつつあり、同じものを求め始め、貿易の障壁が撤廃されつつある世界の中で、企業が同一製品・サービスを世界中に展開し、 顧客のニーズに対応しようとしたことが要因であると話されました。そして、ひとつ目の 「企業のグローバリゼーション」との関わりは、市場のグローバリゼーションが進むにつ
れて、企業が、世界中から財やサービスを調達し、国ごとに優位性を生かしはじめたと言う点であると話されました。

次に「企業にとってのグローバリゼーション」とは何を意味するかと言うことを話され、「企業のグローバリゼーション」は日本の企業にとって、「日本企業」から「多国籍企業」への脱皮を意味するということを意味するとし、「日本企業」は日本人だけなく、多様な人種を雇用しなくてはならないし、日本企業における英語の公用化などが必要と話されましたが、もっと大事なことがあると先生は話されました。それは、グローバリゼーションが進むと、日本とは異なる国で、企業経営をしなければならなくなるが、国が異なると言うことはどのようなことが異なるのかを学ばなければならないとし、政治・経済・法制度や体系が異なることや、文化が異なることを知らなければならないという話をしていただきました。
多国籍企業になるということは、必然的に異なる制度や文化に直面するために、広告宣伝などもしっかりと文化を意識しなければならないと言うこともベネトンの広告を使って話されました。
最後に、先生は、文化というものは会社の経営にどのような影響を与えるかを話され、企業は必ず、文化的な価値観に適応しなければ成功はないとし、ホフステッドによる文化の四つの次元、
1.権力格差(社会が個々人の不平等をどう扱うか)
2.不確実性の忌避(不確実な状況や不確実性を許容できるか、否か)
3.個人主義/集団主義(個人的な活動や実績を重視するか、集団的な活動、実績をより重視するか)
4.男性的か女性的か(性役割を強く求めるか否か)からの検証の必要性を説きました。
そして、日本企業は今後、文化の異なる国では、経営上の問題が起きる可能性があるが、文化が類似した国では、そのようなことは起こりにくいのではとし、結果としては、文化の類似した国に進出した企業の方がパフォーマンスが良いのではないかと仮定し、実際に分析してみたら、やはり、そのような結果を見ることができると結論づけました。
また、その分析のプロセスの中で、科学的手法の大切さと、科学的手法により検証された因果関係は予測に用いることができるとも話していただけました。そして、仮説を見いだし、検証し、それを実務で予測に用いたときに価値を生み出すことができるとも話していただきました。最後に、高校で学ぶ教科は全て、今後の勉学の基礎になるとしめていただきました。
経営学から科学的な分析方法へと発展し、社会の文化を学ぶ大事さなども話していただき、生徒たちにとっては、大学の勉強はその学問に対して、広い視野や知識が必要という点を話していただけたことにより、非常に充実した時間だったと思います。