2017年11月7日

浅草を歩くー非公開文化財に触れてー

Filed under: 百代の過客 — 仙田 @ 6:03 PM

私自身が4・5年生対象に「浅草を歩くー非公開文化財に触れてー」と題して、特別講座を実施しました。

10月30日(火)、16時から演習室2において「浅草の基礎知識」と題する講義を、パワーポイントを使って行いました。手始めは広重の浮世絵にある浅草寺と現在の浅草寺を見比べ、雷門の提灯の文字や五重塔の位置の違いなどから、浅草寺の歴史を考察します。そして、実地見学を想定して、境内にある彫刻や絵画のポイントを説明し、浅草の老舗などについても紹介しました。

11月4日(土)、13時に本校玄関に集合。参加生徒9名と5学年主任の高田先生にも同行してもらい、実際に浅草に出掛けました。当日は秋晴れの真っ青な空の下、見学日和の午後となりました。

都営浅草線浅草駅で降り、浅草寺の起源となる駒形堂を見学した後、多くの人で混み合う雷門や仲見世を通って、観音堂(本堂)へ。ここで、今回浅草寺を案内していただける浅草寺山内法善院住職塩入亮乗氏と合流し、五重塔に向かいました。

駒形堂前
駒形堂前 雷門前
宝蔵門前 人形焼きを食べて小休憩

ここからは塩入様のご厚意により、普段は見学できない所に足を踏み入れることができました。まず最初に、五重塔の内部に入って、多くのご位牌や珍しいガンダーラ仏を見学した後、塔の真下に行かせて貰いました。間近で見る五重塔は迫力があり、美しいその姿に魅了されました。

五重塔の下で 五重塔から望む
宝蔵門とスカイツリー

 

次は江戸時代から明治時代にかけて浅草寺にかけられた多くの絵馬を保存する絵馬堂へ。絵馬の大きさに圧倒される中、生徒達は塩入様による絵馬の解説を興味深く聴いていました。谷文晁・柴田是真・長谷川雪旦などの著名な画家による絵馬を品女生だけで観賞できる至福の時を過ごせました。

絵馬堂にて

 

そして、小堀遠州の作庭と伝わる伝法院庭園に向かいます。

生徒達は遠州流の茶道を学んでいることもあり、関心が持てる庭園です。この庭園は回遊式庭園として有名ですが、現在は工事中であり、池を周遊できなかったのは少し残念でした。しかし、人がごった返す仲見世のすぐ横に、このような静寂を保つ庭園があることを生徒達は実感することが出来ました。

伝法院庭園で

見学後は、高村光雲の彫刻がある手水鉢で手を浄め、天井の川端龍子や堂本印象の絵を見ながら本堂にお詣りします。そして、浅草寺の起源に深い関わりを持つ浅草神社や旧五重塔跡を訪ね、その意義を再認識しました。最後に、浅草の味にも触れ、浅草らしいお土産を買う生徒の姿も見られました。

高村光雲の像がある手水舎 本堂でおみくじを引く生徒達
揚げまんじゅうを片手に

浅草はインバウンド(訪日外国人)にとって、とても人気の高いスポットです。今回参加の生徒達には、3年後のオリンピック・パラリンピックを控え、外国の人たちに浅草の歴史や魅力を英語などを活用して、是非とも伝えて欲しいと思っています。そして、今回の講座はオープンキャンパス(11月18日)での発表があると聞いています。参加した生徒のプレゼンに私も耳を傾けてみたいと思います。