2019年5月23日

シリコンバレー研修報告

Filed under: 百代の過客 — 仙田 @ 3:50 PM

引率の権藤から報告です。

第1回アメリカ研修

品川女子学院で初めてのアメリカ・シリコンバレー研修は、4月1日から8日間、カリフォルニア州DAVISで行われました。
このプログラムの目的は、
①デザイン思考の理解と実践を通して思考力と想像力を養う
②本物を体感し視野を拡げる
③様々な出会いから将来のビジョンを描く
というものです。
以下に、時系列で生徒の様子をお伝えします。

4月1日(月)の午前中にサンフランシスコ国際空港に到着。まずダウンタウンのPier39で昼食をとり、その後Golden Gate Bridgeの見学を行いました。
翌日に始まるデザイン思考の講座では、この時の見学が問題発見のための観察の場となりました。
その後ハイウェイを通って、UC DAVIS校INTERNATIONAL HOUSEに入りました。
まずは、デザイン思考の簡単なイントロダクションとホストファミリーで宅での注意点のレクチャーを受け、不安と期待の中でそれぞれの家へ向かいました。最初はどのようなファミリーなのかがわからず、話し方に少しためらいがありましたが、だんだん発言が積極的になっていきました。

2日目は午前中US DAVISでデザイン思考の第1段階を終えた後、サンフランシスコのダウンタンにあるwhipsawというデザイン・カンパニーを訪問し、この会社で実践しているデザイン思考の応用法のレクチャーを受けました。
そこでのお話も面白かったですが、社屋自体がとても独特で、古い倉庫を改築した場所でデザイナーが自由に働いている姿に刺激を受けたようです。

3日目は朝からStanford大学へ向かい、午前中はキャンパスツアー、お昼はデザイン思考第2段階で必要となるインタビューの実践、午後はd.schoolの見学と起業家石角様の講演を聞きました。
生徒の何人かは、彼女の著書を読んだうえで持参していて、そのことに石角様はとても喜ばれていました。
日本語での講演でしたが、女性として身近な話ばかりでしたので楽しく講演を聞き、最後はバスの時間一杯まで質問をしていました。キャンパスツアーをしてくれた2人の大学生も情熱の塊のような学生でしたので、人の部分では問題は特に恵まれた1日でした。

 

 

4日目はオークランド近郊にある、Valley View Middle Schoolという高校を訪問し、デザイン思考の簡単なテーマ共有をした後、キャンパスツアーを行いました。エンジニアリングに関して非常に優秀な学校で、現地生徒の熱心なプレゼンテーションを聞いた後、チームに分かれてデザイン思考の実践法と自分たちのテーマについて意見交換をしました。ただ、相手が高校生ですので、すぐ仲良くなれる半面、英語のスピードや語彙に関して遠慮がなく、今回の訪問で一番コミュニケーションに苦労した場所でした。

 5日目はシリコンバレーへ。
午前中はグーグルでしたが、3名の女性社員の方に案内していただき、簡単なグーグルのレクチャーと質疑応答を終えた後、1時間程度社内を案内(ビルが50棟近くあるので、そのうちのほんの一部)していただきました。
常時無料の食堂やジム、プールなどももちろん面白かったのですが、生徒たちは3人の方のGoodliness(グーグルらしさ)の話にとても興味を持ったようでした。
実際に社内を制服で歩いていても同じような団体は皆無(そもそも見学者が皆無)で、普段のセキュリティの厳しさがよくわかりました。ここもバスが来る直前まで英語で質問し続けていました。

その後は、Macのテイストが詰まったApple Visitor Centerを訪問し、一通り内部を見学して土産物を購入した後、建物の外へ出てGoogle訪問のリフレクションを行いました。それぞれに強く印象が残っていたようで、これまでよりも活発に意見が出ていました。

 

最後はYahooの訪問。Googleを見学した後だったので、社内に案内されても午前ほどの驚きはなかったようです。
しかしここも見学者は皆無で、社員には彼女たちがよほど珍しかったのか、行く先々で大きな注目を浴びることになりました。

6日目は唯一移動のない日で、デザイン思考の最後の2段階を終えました。
UC DAVIS INTERNATIONAL HOUSEの一番広い部屋で、午前中はプロトタイピング、昼食をはさんで午後最初はプレゼンテーションの準備、その後は英語でのファイナル・プレゼンテーションを行いました。
その後は、今回のファシリテーター4人による講演、そして修了証の授与式と優秀生徒の表彰、最後は生徒たちのサプライズのお礼で幕を閉じました。またこの日はホストファミリー宅での最後の晩となりました。

最終日は飛行機の時刻の関係で、今までで一番早い6:20集合でしたが誰も遅れることなく集合し、9回通ったハイウェイを走って空港へ。日曜日の朝ということで予定よりかなり早く到着し、チェックイン。
翌日の14:30、予定通り成田に到着したのですが、その時に印象的だったことが1つあります。
それは、生徒の瞳が、疲れよりも圧倒的に希望を湛えていたこと。旅の終わりは寂しいものですが、今回は、爽やかな笑顔で互いに別れを告げていました。