2017年11月15日

胸は祖国に置き、眼は世界に注ぐ

Filed under: 百代の過客 — 仙田 @ 12:42 PM

11月15日(水)高等部の朝礼で話した内容を簡単に載せさせて貰います。

第一体育館・第二体育館にも張られているオリンピック・パラリンピックの幕にあるエンブレムについてです。このエンブレムを考案した野老(ところ)朝雄氏は、日本の伝統文化を重んじる観点から、江戸時代の歌舞伎役者佐野川市松が最初に採用した市松模様(正確には組市松紋)を使用しました。
それに加え、幾何学模様も巧みに使っています。二つのエンブレムとも24角形を基本とし、市松模様に使われている3種の四角形は何れも12角形からとれるものです。そして、市松模様に使われている全部で45個の四角形を平行移動させるだけで、オリンピックとパラリンピックのどちらのエンブレムにも変わることができるのです。興味のある人はクリックしてみてください。

また、2020東京オリンピック・パラリンピックの誘致に当たっては、高円宮妃久子様がフランス語で、安倍首相や滝川クリステルさんらが英語でプレゼンをしたことは記憶に新しいところです。

では、1964年の東京オリンピック誘致の際のプレゼンは誰が行ったのでしょうか。プレゼン担当者は、外交官でNHK解説者でもあった平沢和重氏です。彼は、前の国のプレゼンターが長かったことから、簡潔に15分でプレゼンを行います。日本の小学校国語の教科書を掲げ、「日本の子供達はこの教科書で、『近代オリンピックの父』クーベルタンの精神を学んでいます。後は、直接他国の人達と触れあうことが大切であり、Far East(極東)と呼ばれる日本ですが、飛行機により近くなった我が国で、アジアで初めてのオリンピックを開催させて欲しい。」と訴えたのです。そしてその結果、誘致に成功しました。

最後に、その平沢和重氏が好きだった言葉を生徒達に贈りました。

「胸は祖国に置き、眼は世界に注ぐ」

この言葉の精神は、日本の伝統文化の精神を心に持ちつつ、常にグローバルな視野で世界に挑戦してもらいたいというを品女の教育方針と合致します。生徒達には、是非ともこの気持ちを持って、28projectを踏まえ、歩んでもらいたいと思います。