2020年3月24日

72期生が旅立ちました!

Filed under: 百代の過客 — 仙田 @ 4:01 PM

3月18日(水)、本校72期生の卒業式が無事終了し、195名の生徒が無事に旅立ちました。

今回の卒業式は、コロナウィルス感染拡大を防ぐため、政府から要請もあって学校が臨時休校の対応をする異例の状況の中、行われました。そのため、来賓や在校生の出席は無く、保護者の出席も1名に限定して行う事となりました。在校生は、送辞を読む生徒1名だけの出席でしたが、落ちついて無事大役を果たしてくれました。

卒業生は当日実施した予行のみで本番に臨みましたが、立派に所作を行い、心に響く答辞を披露してくれました。送別会も中止となり、残念な気持ちであったとは思いますが、涙と笑顔を見せる中、学校をあとにしていきました。

本当に、おめでとうございます!

異例の形式となった卒業式でしたが、多くの方の配慮により無事行うことが出来たことに感謝しています。また、ご出席をお断りした方々には本当に申し訳ございませんでしたが、ご理解いただき、有り難うございました。

最後に、いつもの12分ほどの話とは違い、3分に凝縮して披露した校長告辞をここに添付しますので、見て貰えれば幸甚です。

 

東京に桜の開花宣言が出される中、品川女子学院第七十二期生の卒業式が無事挙行できますことを心より感謝申し上げます。保護者の皆様にも、限られた状況ではありますが、お嬢様の晴れの姿を見て頂けることができました事は、教職員一同大きな喜びであり、本当におめでとうございます。

そして、卒業証書を授与しました七十二期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは今、本校で過ごした時間を思い出すと共に、これからの新しいステージに向けて、大きな夢を膨らませていることと思います。私から皆さんに言葉を贈ります。

ここに、「青い薔薇」という本があります。皆さんは、青い薔薇を見たことがありますか。薔薇には本来青の色素がなく、青い薔薇は品種改良でも出来なかったため、「不可能」「あり得ない」が花言葉でした。

しかし、二十一世紀に入り、バイオの技術を駆使した日本が初めてブルー・ローズを開発したことから、「奇跡」「夢叶う」の花言葉に変わったのです。

世界では、遺伝子組み換えで新しい薔薇を作るのかと揶揄する声もありましたが、スペインのペドロ・ドットという園芸家は、こう言ったのです。

「人が薔薇を征服したのではない。科学が薔薇を作るものでもない。薔薇が人の愛情に応えて我々に近寄って来てくれたのだ」 

皆さんの心の中にある白薔薇は何色に染まるのでしょうか。白のままでも勿論素敵です。しかし、皆さんの心の中にある白薔薇は、鮮やかな色の薔薇に変えることができるのです。そのためには、皆さんが周りの人からの愛情に応え、信頼関係を築き、自分の夢を叶えて欲しいのです。そして数年後、個性的でドキッとする色に染まる薔薇となった皆さんに出会えることを心から楽しみにしています。

結びに、本日七十二期生一九五名が無事卒業することができましたのは、保護者をはじめ様々な方々の支えがあったからこそです。卒業生一人一人がそのことを胸に刻み、また本校を誇りに、そして心の支えとして歩んでいくことを祈って、校長告辞とします。

 

« 前ページへ次ページへ »